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熊王伝  作者: ウル
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第70話 ディビアン攻防戦「2」

 俺達連合国軍は、ディビアンの西門近くに集まる。

 既にウル様とスレイルさんが、サラ隊・タウロス隊・グレン隊を率いてフォッサマグナを行っているらしい。


「なら、我々は私・パワー・ガインの3部隊に分かれて、敵の後続部隊にフォッサマグナをばら撒くか。」

 アウルスさんが言う。

 既に交戦している奴を狙うと味方に被害が出るから無理だが、まだ隣接していない敵の後続部隊を出来るだけ破壊された城壁に近づけさせないようにしねえとな。


「ホーク隊とヤヨイ隊の鳥族は日が暮れて目が見えなくなる。

 朝までは戦力にならない以上、休んでもらうぜ。」

 兄貴が言う。


「竜族は伝令に行ってるし、ホーク隊は町の中で報告調整を頼む。

 動けるのは、ウィル隊・ゼル隊・アリサ隊とヤヨイ隊の一部だけか。

 アウルスさんはウィル隊、兄貴はゼル隊を率いて行ってくれ。

 俺はヤヨイ隊の一部とアリサ隊を連れてすぐに行く。」

 俺はそう言って、先にアウルスさんと兄貴を送り出す。

 アウルスさんと兄貴はすぐに出撃して行った。


「アリサ、行けるのか?」

 俺はアリサ隊長に聞く。


「行けるわ。」

 アリサが言う。

 見た感じも無理をしているようには見えない。


「よし、それじゃあヤヨイ隊・アリサ隊出撃するぞ。

 俺は敵の大軍にフォッサマグナをぶち込むから援護を頼む。

 ダガンはアリサ隊長の護衛を頼むぞ。」

 俺はそう言って、2隊を連れて出撃した。



 空から見ると、既にかなりの数の敵兵が破壊された城壁に押し寄せている。

 兄貴達が別方向でフォッサマグナを始めているが、敵の数が多すぎる。このままじゃ押し切られるな。

 別方向の後続部隊を削らないと。


 俺は、上空でフォッサマグナの精神集中を完了させる。


「それじゃあ、1発ぶっ放してすぐに上空に戻るから、援護を頼むぜ。」

 俺はそう言って、押し寄せている敵の10メートルくらい上空まで降りる。

 そして、


「フォッサマグナ」


 俺は苦労して覚えた最強技を放つ。

 付近の千人近い敵兵が大打撃を受けていた。

 俺のすぐ近くにいたため気絶した奴までいる。


「怯むな、弓と魔法で応戦しろ。」

 指揮官らしき声が聞こえる。

 一斉に矢や魔法が飛んでくるが、俺達は既に上空に向かって撤退を始めている。

 ミサイルガードも全員にかかっており、難なく上空に逃れる。

 そして、俺は2発目のフォッサマグナの精神集中に入る。


 そして、再度降下し俺は同じ場所で2発目のフォッサマグナを放つ。

 そこには、多くの犠牲者気絶者が転がっていた。

 一般の兵士には俺のフォッサマグナを2発喰らって耐えられるような体力は残っていないらしい。


「化け物だ。」

 そう言って、逃げ出す兵士も出てくる。

 だが、それはほんの一部。

 敵軍は27万の大軍だ。しかも、戦力の大部分を崩れた西門方面に集めている。

 まだまだ先は長い。


 だが今の所、俺達は犠牲者どころか殆どダメージすら受けることなく敵を撃破し続けている。

 これを続ければ、そして、ディビアン軍とモンスター部隊の仲間達が西門跡で耐えてくれれば、勝利が見えてくる。

 とにかく、俺はこのヒットアンドアウェイを続けて敵の数を削り続けるしかねえ。

 完全に日が暮れて夜になったが、敵は攻撃の手を緩める気はないようだ。

 明日になればレオグラードからの援軍が到着する可能性が高い。敵だって必死だ。


 俺はしばらく、フォッサマグナによるヒットアンドアウェイを続けていたが、


「ガイン大将、ウル様とスレイル大将が空中で交戦をしています。」


 仲間の声にそちらを見る。

 敵もこのまま兵を一方的に倒されないように冒険者の精鋭部隊をぶつけてきたのだ。

 ウル様とスレイルさんの部隊が交戦状態に入っていた。


「俺達も援護に向かうぞ。」

 俺はそう言って、護衛をしてくれている仲間に指示を出す。

 敵兵の中でもフライトまで使って戦闘できる者の人数は少ない。

 レオグラードでも数十人程度しかいないくらいだ。

 今交戦している敵は12~13人くらい。

 こちらの2部隊相手にほぼ互角に戦っている。


 俺は、敵の魔法使いらしき後方から魔法を飛ばしている人間に襲い掛かった。


「ジャンピングクロススラッシュ」


 雑魚ではないにしても魔術師は体力が少ない者が多く、俺の全力攻撃1セットすら耐えられなかった。

 俺達は、敵の後衛を蹴散らしていく。

 ほぼ互角に戦っていたところに俺達の援軍は大きかったようで、あっという間に片が付いてしまった。


「ガイン、助かったぜ。」

 ウル様の声が聞こえる。


「間に合ってよかったぜ。

 こいつらと戦っている間に城壁の方は大分押されてるな。

 すぐに、敵を削りに行くぜ。」

 俺はそう答えて、再度フォッサマグナの精神集中を始める。


 こうして、このような戦闘を続ける事1時間余り。

 ついに敵兵が撤退を開始した。


 壊れた城壁からディビアンになだれ込もうとしてくる敵兵をひたすらフォッサマグナで潰し続けた結果だ。

 一時的にでも引いてくれてよかった。


 俺達は一旦ディビアンに撤退し、負傷者の治療などを行う。

 城壁付近での戦闘は激戦だったらしく、かなりの負傷者や犠牲者が出たらしい。

 モンスター部隊も多数の負傷者が出たようだ。幸いドルカンコーチ以外の犠牲者はいなかったようだ。


 一旦ライオネル公の所で簡易会議に入る。


「お疲れさまでした。

 皆様の健闘のおかげで北部貴族連合軍は軍を引きました。」

 ライオネル公が言う。


「それにしてもフォッサマグナ連発の威力はすさまじいな。

 敵兵に既に数万の犠牲者が出ているぞ。」

 アレクシードが言う。

 数万?

 俺達、いつの間にかそんなに多くの敵兵を倒したんだ。

 27万のうち数万も犠牲者が出たら戦闘続行は厳しいな。

 しかも、向こうから見ればフォッサマグナを使ってきた敵を1匹も倒せていない訳だし。


「倒した★5キリンはタンゴではありませんでした。

 影武者か何かの偽物と思われます。」

 途中でウル様が戻ってきてライオネル公に報告する。

 ウル様を狙っていた★5キリンはタンゴじゃなかったんだ。

 ウル様が確認したのだろうから間違いはないよな。


「引き続き、今後出会う敵の★5キリンには注意と言うことだな。

 再度の襲撃がないかを交代で見張りつつ、明日に差しさわりのないよう十分な休憩を取ってくれ。」

 ライオネル公の締めで会議は終わる。


 俺もモンスター部隊の所に戻り、交代で見張りを立てながら眠りについた。


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