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熊王伝  作者: ウル
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第65話 ノリク新兵器迎撃戦「3」

 俺達は海中から敵がいつ出てきてもいいよう警戒しつつ、兄貴の第2部隊が船内を制圧していく事になった。

 ★5オニクビの専用技であるフォースフィールドは銃器の攻撃を完全に防げる事が分かったからだ。

 何度もフォースフィールドを張って、安全を確認しながら少しずつ前進していき、船内を制圧していく方針だ。


 リバイアサンが強化技をかけ直し、4隻の船を沈めたら攻撃に来るよな。

 そろそろ来てもおかしくない時間だ。

 俺達は甲板の上から敵がいつ来てもいいように警戒を続ける。

 敵がどこから襲ってきても全ての隊がすぐに援軍に行けるよう、船上の建物の近くに散開して待機する。

 船の最先端に出てくるのなら、甲板に乗られてもやむなしとの判断だ。


 幸いにも俺が率いる第3部隊はまだ犠牲者がいなかった。

 船上の建物の近くの船の左側で敵の襲撃を警戒する。

 俺は消された強化技を全てかけ直すと、アンチディスペルガードの技の精神集中を完了させておく。


 しばらく待つが敵は来ない。

 準備ができているなら、俺達が準備している間に襲ってくる筈か。


 ちょっと海底の様子を見に行くか?

 俺はアウルスさんに確認を取ったが、集中砲火される危険があるから兄貴達第2部隊が順調な間は警戒して待つことになった。

 時間が経てば船内を制圧されかねない敵の方が厳しいはず。

 必ずどこかで総攻撃に来るはずだ。


 待つこと数十分。

 船の左右から敵が一斉に襲い掛かってきた。

 俺達のいる左側は敵兵100名程度、そして、キリンとリバイアサンだ。


 俺はリバイアサンの姿を見た瞬間アンチディスペルガードを放つ。

 キリンと違ってでかさが違うし、キリンにかけてまた敵兵を盾にされても困るし。

 そして予め打ち合わせていた通り、それに呼応して、リバイアサンにディスペルマジックが飛ぶ。


 しかし、敵も負けてはいない。

 リバイアサンから、アンチディスペルガードが俺に飛んでくる。

 当然、敵兵が同調してディスペルマジックを連射してくる。

 

「私が受けます。」

 ゴールドドラゴンのヴィナが俺をかばってアンチディスペルガード関連の技を受けてくれた。

 それだけなら、ヴィナに感謝してヴィナをしばらく下げればよかった。


 しかし、その直後、キリンがフォッサマグナを放ってきた。

 と言うことは100人くらいいる敵は全員アースイミュニティがかかっているのか。


 敵としては、俺の強化技を消した上で広域攻撃技のフォッサマグナを放って俺達に甚大な被害を与えた上で総攻撃を仕掛けたかったのだろう。

 だが、俺達も最初はフォッサマグナで敵兵を倒す算段だったため、全員にアースイミュニティがかかっている。

 誰もダメージを受けることはない。

 キリンは想定外の事態に舌打ちしていた。


 いや、アースイミュニティの消えたヴィナだけはダメージを喰らっていた。


「ヴィナは後ろに下がれ。」

 俺はそう言って、ヴィナを後ろに下がらせる。



 敵のリバイアサンも技が消えて海中に落ちた。

 しかし、まだキリンは無傷だ。

 キリンは再度精神集中を始める。

 そして、それと同時に敵兵の半分近くが襲い掛かってきた。


 襲ってくるメンバーは今までよりは雑魚っぽい。せいぜい★2レベルか。しかし数が多い。

 ある程度熟練した奴は後ろから魔法で攻撃してくるようだ。


 こいつらを早く片付けないと。

 俺は近くにいる敵兵を片っ端から薙ぎ払いまくる。

 ★2レベルの格下ならフルバフの俺がまともに1発当てれば即気絶だからだ。


 だが、その間に敵の攻撃魔法が次々と味方に当たる。

 俺には攻撃してこない。

 熊族は耐久力に秀でていると知っているからか。

 こちらは全員が★4レベル以上の精鋭であるため、平均レベルはこちらが有利とは言え、敵の方が3倍以上の数だ。

 後ろから攻撃魔法を連射されると耐えられない。

 累積ダメージが厳しくて柱の陰に撤退する者が次々と出てきた。


 本来ならフォッサマグナのような攻撃技で纏めて潰したいところだが、敵全員が完全耐性を持っていることは既に証明されている。

 俺はこういう時に有効な技を何も持っていないのがきつい。

 兄貴のチェインライトニングくらいは覚えないとダメか。


 俺は近くを飛んできた攻撃魔法を敢えて俺が受けるようにしながら、敵兵を片付けまくる。

 横ではドルカンコーチが同じように敵兵を蹴散らしまくっていた。


「アンチディスペルガード」+「ディスペルマジック」×n

 その隙をついて、キリンが再び技を放ってくる。

 今度はドルカンコーチを狙ったようだ。

 ドルカンコーチの技が消えたようでドルカンコーチの体が小さくなる。

 しかし、ドルカンコーチはそれをものともせず、敵を蹴散らし続ける。


 敵は魔法攻撃の目標をドルカンコーチに切り替えたようで、多数の攻撃魔法がドルカンコーチに集中する。

 危ないと思い、俺は射線を遮って俺が代わりに受ける。

 技が消えていない俺にはリベンジカースもかかっている。敵もただでは済まないはずだ。


 キリンは再度精神中に入っている。

 次に俺の技も消されるとまずい。

 しかも、前衛の数が減ってきたためか、魔法を撃ち尽くしたのか後衛も一部突っ込んできた。


 生命力がぎりぎりの味方は柱の陰に撤退し、まだ最前線にいるのは俺とドルカンコーチ、ノーザさん、マースに乗ったエタニアさんくらいだ。


「ブリザード」

 ウィンディさんが、柱に隠れながら魔法のヒットアンドアウェイをしていた。

 しかし、ウィンディさん1人だけでは何人かの敵兵を削るくらいしかできないだろう。


 何とか敵のキリンに近接戦を持ち込みたいが、敵の攻撃魔法で気絶した仲間を放っておくわけにはいかない。

 攻撃に来る敵兵を蹴散らし続けないと。

 俺達は、傷ついたり気絶したりした仲間を背に攻撃してくる敵を倒し続ける。

 そろそろ、キリンの精神集中が終わるころか。


「アンチディスペルガード」

 キリンが俺に向かって技を放ってきた。

 予想通りだ。

 俺は、キリンが俺に目を向けた瞬間、目の前の敵兵にベアハッグをかまして捕まえると、敵兵の体を使ってアンチディスペルガードを受けた。

 俺は味方を盾にしたりはしないぜ。敵はするがな。

 同時に放たれたディスペルマジックは喰らうが、ディスペルガードが切れていないから全く痛くない。


「小癪な」

 キリンはそう言うと再度精神集中に入る。

 その直前に一瞬、キリンが気絶しているアストリッドさんを見たのを俺は見逃さなかった。

 広範囲攻撃技を使って、気絶したアストリッドさんと近くの柱の後ろにいる仲間に止めを刺したいのが見え見えだ。


「リザレクション」

 俺は、後ろで唯一気絶していたアストリッドさんに唯一残っていた魔法のリザレクションをかける。

 とりあえず、即死だけは防がないと。

 そして、大分数が減ったから残りの敵を頼むと、キリンに突っ込もうとする。


「チェインライトニング」

 後ろから声がすると、多数の敵が大打撃を受けていた。


 第4部隊のジークが反対側の敵をあらかた片付けて応援に来てくれたのだ。

 これで圧倒的に有利になった。


 だが、このキリンは逃がさん。

 俺は、キリンに突っ込んでいくが、キリンは自分の目の前にブリザードを放つ。

 俺とキリンの間の視界が遮られた。

 慌てて回避して回り込むが、キリンの姿がない。

 海中に逃げたか。


 俺は海中に潜る。

 海中では数十メートル以上先を見ることができないため、俺はキリンの姿を見つけることはできなかった。

 仕方ない。

 残りの敵を片付けるか。

 俺は海上に戻る。


 幹部のキリンとリバイアサンがいなくなり、地上の勝負も一方的になっていた。

 指示する者がいなくなったためか、残った敵兵も逃げ出したり降伏したりと動きに統一性が見られない。

 雑魚兵士に逃げられたところで大勢に影響がないため、俺達は逃げる敵は追わず、残った敵を片付ける。

 しばらくして、残った敵は全て逃げていった。

 建物の中にいる敵兵に呼び掛けると、生き残った敵兵も降伏したようだ。


 あとは、リバイアサンがこの船も沈めに来るかだ。

 案の定、メイルシュトロームでこの大型船も沈めてきた。

 キリンとリバイアサンを逃したのは痛いが、全ての船を沈めてしまえば俺達の任務は完了だな。

 船に備え付けられている大砲は無理だったが、銃器の方は着実に確保した。持ち帰って模倣もできるかもしれない。


 それを待つ間に俺達はメンバーの安否を確認した。

 モンスターの含め、第1部隊から26名「匹」、第5部隊から6名「匹」の死者を出してしまった。

 銃器の攻撃をミサイルガードで防げるか分からなかったとは言え、最初に海に潜る案は全体に出しておくべきだったと後悔した。


 そして、降伏した敵にこの部隊の指導者について聞く。

 やはりと言うか、キリンのタンゴとリバイアサンのダゴンの2匹がこの部隊全体の幹部だったらしい。

 中間管理職の人間も船毎にいたようだが、逃げたか死んだかわからない。


 俺達は、5名の捕虜と見つかった仲間の遺体を担いで帰路に就く。

 レオグラードに戻れば、次はケイシュールとの決戦が控えている。

 ゆっくりしている暇はなさそうだ。


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