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熊王伝  作者: ウル
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第40話 情報交換

 夕方になり隊員の訓練が終わった後、隊長だけには残ってもらって今後の事について打ち合わせをする。


「今日、前線への移動について打ち合わせた結果、3日後に前線組はドンロンに向けて出発することになった。

 そのため、残留組の体制をしっかり決めて引き継いでおきたい。

 あとは、各隊の隊員の指導について隊長間で意見交換をしたい。

 今日の打合せ内容は以上2点だ。」

 兄貴が口火を切る。


「衛兵隊や冒険者部隊は誰が残るのでしょうか?」

 ヴァディス隊長が聞いてくる。


「衛兵隊はライオス副隊長が責任者として残る。

 冒険者部隊はエイク隊長が前線に行くから、ドンロンの副隊長がエルモンドにやってくることになる。

 両部隊とも内部調整がいるだろうから、終わった頃を見計らって、ヴァディス隊長を紹介しに行くから、ヴァディス隊長はエルモンドの責任者として頼むぞ。」

 兄貴が言う。


「了解しました。お任せください。」

 ヴァディス隊長が迷わず答える。

 ヴァディス隊長なら安心だろう。


「それ以外に、残留組は担当が増えることになる。

 1つは、今日から行ってもらっている捕虜の監視。

 追加されることが、空からのエルモンドの町周辺の巡回だ。ノリクの特殊部隊など、軍隊がエルモンドの町に近づいてこないか毎日定期的に巡回をしてほしい。」

 兄貴が言う。


「ヴァディス隊で空を飛べるのは、私と★3ブルードラゴンのガラード、今日配属を受けた★3レッドドラゴンのクリムゾン、★3ロックのブラウンフェザー。あとは、★1のヤングイーグルが4羽くらいです。

 現状では、クリムゾンとブラウンフェザーに自分の判断で巡回をさせるのは厳しいので、ホーク隊から応援を頼めませんか?」

 ヴァディス隊長が言う。

 確かにこのメンバーだときつそうだな。


「冒険者部隊には頼めないのか?」

 ホーク隊長が言う。


「冒険者部隊も責任者の配置が決まっただけで、誰が残るかはこれから調整だからな。

 モンスター部隊の都合で残るメンバーを変えさせるわけにはいかないだろ。

 巡回できる最低限の部隊を異動させてやってくれねえか。」

 俺はホーク隊長に言う。


「今巡回をしている★3の2羽とクリムゾンとブラウンフェザーを交代と言うわけにはいかないか?

 現在★2のメンバーを率いて巡回しているから、★1ヤングイーグルを組んで巡回ができると思うぜ。」

 ホーク隊長が言う。


「分かりました。それなら3組で巡回できそうですので、それでお願いします。」

 ヴァディス隊長の了解で隊員の異動が決まった。

 ホーク隊長としても育てるべきメンバーは増えるが、これなら戦力は落とさずに済むか。


「移動が3日後と言うことは、捕虜の見張りは、サラ隊・ウィル隊までしか順番は回らないってことか?」

 ゼル隊長が聞いてくる。


「そうだな。3日後は移動を始めるから、3日後からは残留部隊がすることになるな。

 ヴァディス隊長頼むぞ。」

 兄貴が言う。


「はい、内部で調整しておきます。

 隊としても調整が必要ですので、明日・明後日はお願いします。」

 ヴァディス隊長の了解でここの引継ぎも決まった。


「引継ぎ関連はこれくらいにして、隊員の指導方法についての意見交換をしたい。

 現在、隊員の指導をどのようなことをしているかここで教えてくれ。

 そして、他の隊長の話を聞いて、参考になるところは自分の隊で取り入れてほしいんだ。」

 俺が言う。


「それじゃあ、ヴァディス隊長から頼むぜ。」

 兄貴が言う。


「ヴァディス隊では、★3ダイアウルフのクーと★3ブルードラゴンのガラードを指導要員として育成しましたので、この2匹が副隊長級として他のメンバーの指導をしています。

 また、途中から異動した★1の指導のために冒険者部隊から応援に来てもらっています。」

 ヴァディス隊長が言う。


「クーとガラードはどうやって指導できるまでになったんだ?」

 俺は他の隊長が聞きたいであろうことを聞いて行く。


「最初は自分で指導をしていたのですが手が回らず、見ていてこの2匹は有望そうでしたので、最初彼らを集中的に指導して指導者となってもらいました。他の隊員からは放って置かれたとも言われましたが、なんとか軌道に乗せることができました。」


「他の隊長は何か質問はあるか?」


「有望そうな2匹はすぐに指導できるようになったの?」

 サラ隊長が聞く。


「こちらも苦戦しましたね。

 実は、該当の2匹には夜も指導しました。

 俺達には休みもないのかと散々言われましたが、事情を説明して無理やりにでも進めました。

 最近になって自分達に実力が付いたことに気付いて、ようやく分かってもらえましたが。」

 ヴァディス隊長が答える。


「その結果、今では訓練の時にヴァディス隊長はフリーになることもできて、隊員のことをよく見ることができるようになっているな。」

 兄貴が言う。


「そうか、副隊長を育てるのは大事だな。」

 ゼルが言う。


「そうね。」

 サラ隊長とアリサ隊長も言う。

 よし、他の隊長達にその必要性が分かってもらえただけでも大きいな。


「それじゃあ、次はホーク隊長頼むぞ。」

 兄貴がホーク隊長に振る。


「ホーク隊では空からの巡回を考えていたからな。

 ちょうど隊員が18羽だったから6つのグループに分けて訓練させたぜ。

 実際にやってみると、グループの3羽の中からリーダーっぽいのが出てきたから、そいつにグループのとりまとめをさせるようにしたな。

 中には勝手に動く奴もいたが、大将達に言われて最近はメンバーの面倒を見てくれるようになって、今では副隊長をやってもらっているぜ。」

 ホーク隊長が言う。


「最初のグループを決めるときに、各グループに想定していたリーダーはいたのですか?」

 ウィル隊長が質問をする。


「一応は考えてグループは分けたんだが、想定と違う奴がリーダーになったグループもあった。」


「そりゃいつもいつも想定通りには進まないわよね。

 でも、想定して試してみることは大事ね。」

 アリサ隊長が言う。

 アリサにも刺激になっているようだ。


「勝手に動く奴ってボルンガだよな?

 すんなり副隊長になれたのか?」

 ゼル隊長が質問をする。

 流石に、ボルンガの名前は他の隊でも有名なようだ。


「好き勝手動くだけあって、本人は色々考えていてな。

 既に副隊長になれるだけの能力は持っていたんだ。俺が扱いきれていなかっただけで。

 大将達に散々言われて、仲間の面倒を見るようになってくれたら、すぐに副隊長だった。」

 ホーク隊長が答える。


「勝手に動くということはそれだけ考えているということなのね。

 もっと隊のメンバーを見てみるわ。」

 サラ隊長が言う。

 他の隊長もそうやって、隊員の能力を引き出してくれるといいな。


「他に質問がなければ次はサラ隊長頼むぞ。」

 兄貴が言う。


「私も概ねホーク隊長と同じね。グループの数が6つじゃなくて3つで各グループ5~6匹だけど。

 最初は種族でグループを決めたんだけど、ホーク隊と同じで上手くいかなくて入れ替えをしたわ。」

 サラ隊長が言う。

 特に質問が出なかったので、次はウィル隊長の番だ。


「俺は、特にグループ分けとかはせず、メンバー1匹1匹を自分で指導しました。

 大変でしたが、★2ウルフのリコにサポートをしてもらえたのでなんとかできました。」

 ウィル隊長が言う。


「ウィルはいいよな。リコがいるからな。

 実質副隊長が最初からいるようなものだしな。ボルンガと違って、勝手なことをしないし。

 俺も最初の訓練の時、リコを選んでおけば良かったぜ。」

 ゼル隊長が言う。

 ウィル隊長がリコにかなり助けられているのを見ているのだろうな。


「ゼル、あの時お前は真っ先にクリスを選んだだろ。

 そのクリスはちゃんとお前の隊に入っているじゃねえか。

 ウィルは最後まで選ばれなかったリコを選んでいるんだぞ。」

 俺はウィルが言えないであろうことを代わりにゼルに言ってやった。


「まさか、あの3匹の中にエースが紛れているなんて思わなかったぜ。」

 ゼルが言う。


「1匹だけ★1が混じっていた時点で何かあると気付かなかったのか?

 ウィルはリコも含めて全員を冷静に見ていたぞ。

 さらに言うなら、試行のためとはいえ、ヴァディス隊長とサラ隊長にはリコを選ぶチャンスすらなかったんだぞ。」

 俺がそんなことを言っていると、


「話が脱線しているぞ。

 次は、ゼル隊長の番だ。」

 兄貴に話を戻されてしまった。

 他の隊長もいるのに、つい昔のつもりで話してしまった。


「兄貴、ちょっと待ってくれ。

 まだウィル隊長の報告が終わっていないぜ。

 ウィル、お前は夜にも隊員と話をして、1匹1匹を理解して打ち解けようと努力していたよな。

 言わないのか?」

 俺はウィル隊長に聞く。


「夜は本来自由時間ですし、俺は上手く部隊を統率できていないと思っていたので穴埋めにやっていただけですので。」

 ウィル隊長が答える。

 謙虚と言うか、真面目過ぎだな。


「ウィル、俺からウィル隊を見ても、その努力は無駄になっていないぜ。

 折角の意見交換の場だからな、やっていることを全部話してほしかったから聞いてみたぜ。

 待たせて悪かったな、それじゃあゼル隊長頼む。」

 ウィル隊長の話を終わらせられたので、次はゼル隊長に聞く。


「俺もグループ分けとかはしなかったな。

 全員を個別にみるのは難しいから、同じ技を全員同時に教えたりとかしたな。

 種族や★レベルの違いで別々に教えないといけないことも多かったけどな。

 途中で★1のメンバーがヴァディス隊に行ったから精神技は全員同時に教えられるようになったな。

 上手くいかない奴も、似た者同士が相談して教え合ったり、他の奴と一緒なら来やすいのか俺に聞きにきたりしたぜ。」

 ゼル隊長が言う。


「確かに全員に同時に同じことを教えれば、指導するのが自分だけでもなんとかなりますね。

 出来るようになったメンバーに、すぐそばのまだできないメンバーに教えて貰うことも大事ですね。

 参考になります。」

 ヴァディス隊長が言う。

 ヴァディス隊長でも参考になることがあるのだな。意見交換をしてよかったぜ。

 他に質問は出なかったので、最後はアリサ隊長の番になった。


「私も直接自分で指示をするようにしたから、グループ分けはしなかったわ。

 自分で指示を出すようにしながら統率してみたけど、ウィルほど熱心に隊員を見ることもできなかったし。

 今日は他の隊長の意見で色々参考になったから取り入れたいと思うわ。」

 アリサ隊長が言う。

 正直アリサ隊の隊員の成長度が平均すると一番低いからな。

 でも、今日の打ち合わせで色々参考になったのなら、今後に期待するか。


「今日の意見交換で、各々参考になることがあったと思う。

 今後の隊の指導に生かしてくれ。」

 兄貴の締めで意見交換会は終わり、俺達はダガンと一緒に館に戻った。


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