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熊王伝  作者: ウル
37/59

第37話 隊員の成長

 オーウェル様への報告が終わると、もう昼になっていた。

 俺達は、館で餌を食べた後、隊員のコストを測りに行く。


 まずは事前に話をしてあるホーク隊からいくか。

 ホーク隊の所へ行くと、巡回が終わり訓練を開始していたので、ホーク隊長から事情を話してもらい、隊員のコストを測ってもらいに行った。

 すると、施設の人間に、★3グリーンドラゴンのボルンガが進化できるようになっていることを知らされる。確かにボルンガは前回の掃討で敵ボスと戦ったりしていたからなあ。


 ホーク隊長は、それ以外のメンバーにコストを測ってもらった後、隊の場所で休憩してもらうように指示して、本人を踏まえて進化先を相談する。


 それじゃあ、ボルンガの進化先を考えようか。

 俺は施設の人間に進化先の一覧表を見せてもらう。


「進化先一覧」

★3グリーンドラゴン→★4アースドラゴン→★5ラドン「地系・肉体系」

           ★4フォレストドラゴン→★5リンドブルム「地系・技系」

           ★4ゴールドドラゴン→★5ヴリトラ「光系」


 グリーンドラゴンの進化先は3つ。

 アースドラゴンは、進化により空を飛べなくなるが、全種の★4ドラゴンの中で最も体が大きいだけでなく、最高の体力と防御力を誇る。更に、肉弾戦の攻撃力も上位であり、選択できる3種の中では勿論最強である。

 フォレストドラゴンは、鱗が森の色にある程度近づけることができて森の中では潜伏ができるようになる。空を飛べるだけでなく、多くの地系の技を使いこなすことができる。

 ゴールドドラゴンは、光系のドラゴンで、肉体技・精神技をバランスよく使うことができ、どのような相手でも対応できる万能型であるが、能力的には器用貧乏なところがあり、実は他の★3ドラゴンからも進化できる共通の進化先であるため選ぶモンスターがあまり多くない。


「ボルンガはなりたい進化先の希望はあるのか?」

 兄貴が聞く。


「強くなりたいな。」

 ボルンガが答える。


「戦闘で強いのは★4アースドラゴンだろうが、空が飛べなくなるぞ。」

 ホーク隊長が言う。


「それは嫌だな。」

 確かに、ホーク隊には居れなくなるな。


「それなら、長距離飛行が得意な★4ゴールドドラゴンか、飛行もできて技に強い★4フォレストドラゴンのどっちかになるな。」

 俺が言うと、


「それなら、ゴールドドラゴンにするよ。」

 ボルンガが答える。


「ゴールドドラゴンは、他の★3ドラゴンからも進化できる共通の進化先だけどいいのか?」

 俺は念を押す。


「もうちょっと考えさせて。」

 今度の進化は最終進化までの道筋が決まるからな。

 後悔のないように選ばせないと。


「★5に進化した後の専用技は考えないのか?」

 兄貴が聞く。

 確かにそれは大事だな。


「ラドンの専用技はアイアンボディー。動きが鈍くなるが、ほとんどの攻撃を無効化できるぞ。

 リンドブルムの専用技は、ハイドインフォレストとメイズウッズ。ハイドインフォレストは、森の中で敵に姿を見つけられなくすることができる。メイズウッズは森に入ってきた敵を迷わせることができるぞ。

 ヴリトラの専用技は、ジャッジメント。前方広範囲に技防御無視のダメージを与えられるぞ。」

 俺が、進化先の専用技について説明する。


「アースドラゴンはやめにしたし、森の中で隠れたり、森を迷路にしてもしょうがないしね。

 やっぱ、ゴールドドラゴンにするよ。どんなに防御が固い敵にも効く技って強そうだしね。」

 ボルンガがそう言うので、ボルンガの進化先は★4ゴールドドラゴンに決まった。


 ボルンガが★4ゴールドドラゴンに進化する。

 今まで緑色だった鱗が金色に変化する。

 そして、体長が倍以上に巨大化した。

 コストを測ってもらうと、90と出た。

 グリーンドラゴン時代は39だったから賢くなったな。

 ★3グリーンドラゴンの種族平均コストは36だから、当時は普通のモンスターと大して変わらなかったわけだ。

 それにし対して、★4ゴールドドラゴンの種族平均コストは72のところがボルンガは90。ボルンガ、賢くなったな。

 この成長度はすごいと思う。

 ホーク隊長のコストが80なので、ホーク隊長よりも高くなってしまった。


「★4ゴールドドラゴンの種族平均コストは72で、★4ベンヌの種族平均コストは48だよな。

 そこからの差で考えると、ホーク隊長の上乗せ分は「80-48=」32で、ボルンガの上乗せ分は「90-72=」18。

 まだホーク隊長の方が賢いと考えていいのか?」

 兄貴が聞いてくる。館で数字について学んだので俺達はこういう計算もできるようになった。


「多分そうじゃないのか。

 鳥族は種族平均コストが同じ進化ランクのモンスターの中でも一番低いのに対して、竜族は一番高いからな。コストが逆転する場合だってあるだろ。」

 俺が答える。


 全員のコストを前回の数値と比較してみた。

 ホーク隊長が15、ボルンガも「18-3=」15上がっているから、ボルンガは相当努力したんだろうな。

 他の隊員も、前回に比べ全員4~9ほど上がっていた。


 モンスター部隊を創設してからまだ3ヵ月も余り。

 その間に、試行錯誤して色々苦労もしたが、その結果はちゃんと出ていたんだと実感することができた。

 保護したモンスターはスタートラインこそ、エルモンドにいたモンスターよりも後ろではあるものの、これからの努力次第で同じように成長してくれるだろう。


「ボルンガは、十分隊長ができるくらい賢くなってきたな。」

 兄貴が言う。


「確かにな。

 そろそろ他のモンスターの指導もしてほしいな。

 他人の面倒を見るようになったら、どう変わるか見てみたいな。」

 俺も同意する。


「俺も隊長候補になるんだって?」

 横で聞いていたボルンガが聞いてきた。


「ホーク隊長のように、ちゃんと隊員の面倒見るんだぞ。

 自分勝手な行動とかもっての他だからな。」

 俺はボルンガにくぎを刺す。


「方針はホーク隊長に任せるが、ボルンガも賢くなってきたから、補佐に入ってもらうことも考えてみてくれ。」

 兄貴がホーク隊長にそう話して、ホーク隊の状況確認は終わった。



 俺達は、他の隊についても同じようにコストの測定をしていく。


 サラ隊は、

 サラ隊長が★3ライガーから★4ライジュウに進化した。

 サラ隊長の種族平均増加分を除外した加算コストは15上がっていた。

 その他のメンバーも全員コストが4~8上がっていた。


 ウィル隊は、

 メンバーの3匹が進化した。全員★2→★3だが。

 ウィルのコストが18も上がっていた。

 その他のメンバーのコストが5~13上がっていた。

 リコを除けば5~9だ。


 ゼル隊は、進化は誰もいなかった。

 ゼルのコストが16上がっていた。

 メンバーのコストが3~6上がっていた。


 次はアリサ隊だ。

 アリサにダガンについて聞いたが、いい感じに統率できているようだ。これなら大丈夫そうだな。ダガンがアリサを立ててくれているようだ。

 安心したところで、アリサ隊のメンバーのコストを測る。


 アリサ隊は、

 メンバーの1匹が進化した。★2→★3だ。

 アリサのコストが15上がっていた。

 メンバーのコストは2~6上がっていた。


 夕方になってしまったが、日が暮れる前に最後のヴァディス隊のコスト測定を終わらせる。


 ヴァディス隊の成長度は大きかった。

 ★1から★2に進化するものが8匹。

 さらに2匹が★2から★3に進化した。


 ヴァディス隊長のコストが18上がっていた。

 隊員のコストも2~15上がっていた。

 特に指導をしているクーとガラードはコストが14・15も上がっていた。

 この2匹は既に隊長候補と言ってもいいかもしれない。

 クーとガラードを除いてもコストが2~9上がっていた。



 俺達は、全員の前回と今回のコストの一覧リストを貰うと、館に帰ってから結果について話す。


「こうやって全員のコストを測定してみると、隊長のコストの増加が著しいな。

 俺達もそうだが、自分で部隊を率いて色々考えることによりコストが上がるというか賢くなるんじゃねえか。」

 俺が言う。


「そうだな。

 隊長だけでなく、途中から他のメンバーの指導をしたクーやガラードは明らかに他のメンバーと成長度が違ったからな。

 逆に、どちらもしないのに成長度が高かったボルンガとリコは自分で色々考えて相当努力したんだろうな。」

 兄貴が言う。

 確かに、ボルンガとリコは部隊を率いるとか指導をするとかしていないにも関わらず、コストの上昇値が高かった。


「あの2匹はいつでも色々考えているみたいだからな。

 ボルンガの場合は、危なっかしいところもあるが。

 他のメンバーにも普段から色々考える訓練をすれば伸びねえかな。」

 俺は、願望で言ってみる。


「隊員に常々考えるように言ってきた結果がこれだからな。

 1匹1匹付きっきりで指導しないとこれ以上は難しくねえか?」

 兄貴が言う。


「まあ、そうなんだけどよ。

 ウィル隊長は、丁寧に1匹1匹と向き合ってるみたいだ。

 隊員のコストが最低でも5も上がっているのが、その証拠だろう。」

 俺が言う。


「逆に隊員の自主性を重んじたヴァディス隊長の指導方針の場合、受け身になってしまったメンバーは成長できなくなるのかもしれねえな。ヴァディス隊のメンバーは成長度のばらつきが大きいからな。

 ★1もいてメンバーの多いヴァディス隊の場合そうせざるを得ないところもあるのだろうが。」

 兄貴が言う。

 確かに、匹数が多いとは言え、ヴァディス隊のメンバーのコストの増加のばらつきは大きいな。


「両隊長の指導方針はある意味両極だが、何とか良い所どりできねえかな。

 お互いに他の隊長がやっていることを情報交換して、いいと思ったことを自分の隊でも取り入れてもらう形なら何とかならねえか。」

 俺は兄貴に聞く。


「それはいいな。

 お互い何か参考になることもあるだろうし。

 前線に移動する前に、隊長同士で意見交換をするか。」

 兄貴の同意が得られたので、前線移動までの準備の一つとして、隊長間での情報交換をすることになった。


 夜になってダガンが館に帰ってきたので、アリサ隊のことについて聞く。


「ガイン様も心配性だな。大丈夫だって。

 できる限りアリサ隊長に任せつつ、無理な部分は俺が補佐する方針でいるから。

 毎日朝は隊に顔は出すが、俺が付きっきりでなくても大丈夫だぜ。」

 ダガンが言う。


「出産が近づいたらそうはいかねえだろ。」

 俺が聞くと、


「それはもちろんだ。

 その時期が来たら、俺は隊に付きっきりになるが、あと2~3ヵ月は大丈夫だ。」

 俺はダガンの報告を聞いて安心した。


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