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熊王伝  作者: ウル
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第14話 「原因不明の異変」

 次の日の日暮れ前に、リズボーンからの派遣らしき集団が見えてきた。

 モンスター使いもいるにはいるが、ほとんどが人間のようだ。

 モンスター7匹と人間が数十人の大所帯だ。

 向こうはこちらに気づくと警戒態勢を取ったが、トムソンがゆっくり近づいて大声で事情を話すことで事なきを得た。

 話を聞くと、今日1日で3回もモンスターと遭遇したらしい。

 幸い人数が多いため向こうから襲ってくることはなかったそうだ。


 リズボーンの派遣隊の指導者は、リズボーンの衛兵隊長で名前はゾマらしい。

 リズボーンの冒険者と冒険者の能力がある衛兵の一部を連れて向かっているようだ。

 ハイネからの援軍が後から来ることを伝えた上で、俺達も一緒に同行させてもらう事にした。

 この辺りの交渉は全てトムソンが行ってくれたので、俺は黙って聞いていただけだ。


 2日後、コインブラの町が見えてくるが、町の門は固く閉ざされている。

 そして、町の近くにかなりの数のモンスターがうろついている。

 だが、纏まっているわけではなく、複数の群れがバラバラに動いている感じだ。


「このまま門の前まで行軍します。」

 ゾマさんの指示で、俺達は門の前に向かう。

 全部合わせればモンスターの数が多いが、種族も違う複数の群れが協力して襲ってくることもなく、俺達は門の前にたどり着いた。

 ゾマさんがリズボーンからの援軍だと事情を話したことで門が開けられる。

 俺達は無事コインブラの町の中に入り、そして、再度門は閉められた。

 街の中は人が増えている。

 危険という事で近隣の農民も避難してきたというのは本当らしい。


 ゾマさんがコインブラの衛兵隊長に事情を聞くが、向こうが意思疎通魔法を使っていないため衛兵隊長の言っていることが分からない。

 ゾマさんは使っているようなので話は分かるのだが。

 仕方ないので、俺は話が終わった後にトムソンから事情を聞く。

 大方の予想通りの話だった。

 モンスターが町の近辺に大量発生し、近隣の農民も含めて住民全員を町の中に避難させたのだ。

 城壁があるので、これで一安心ではあるのだが、いつまで待ってもモンスターの数が減る気配がない。

 そのまま町に籠っていても事件が解決するかどうかは分からない。

 そのため、コインブラの戦力も併せて、原因を突き止めるためにモンスターが現れた方向を調査しに行くことになったそうだ。

 丁度リズボーンからの支援が到着したので、いくつかのグループに分かれて、調査に入ると言う。

 あと5日以上はかかるハイネの派遣を待っているわけにもいかないので、今いる戦力で調査に入るようだ。


「原因が分からない以上、ある程度手分けして捜索する必要がありますね。」

 ゾマさんが言う。


 だが、コインブラの衛兵隊長は、トムソンの翻訳によると、戦力を分けすぎるとモンスターの襲撃が危険だと言う。


「今まで襲ってきたモンスターの群れを撃退できる戦力は維持する範囲での分割なら問題ないのでは。」

 ゾマさんが再度言う。


 原因が分からない以上、手分けして捜索する必要性を理解してコインブラの衛兵隊長も折れたようだ。

 そうして、部隊の編制の話になる。


「モンスターを連れている者だけで隊を組むわけにはいかないですか。」

 俺の意見をトムソンが代弁してくれた。

 相手の衛兵隊長の返事は言葉が通じないので分からない。


「モンスター使いの方は、モンスターに騎乗することで早く移動できます。

 その分捜索を進める事が出来ます。」

 トムソンが押してくれる。


 結局、コインブラの衛兵隊長とモンスター使いが認めてくれたことで、俺達とリズボーンのモンスター使いでチームを組むことになった。

 だが、この交渉の結果、トムソンが隊のリーダーという事になってしまった。

 俺が補佐すれば大丈夫だろう。


 メンバーはトムソンを入れてモンスター使い4名、モンスター8匹だ。

 メンバーは以下の通り

 トムソン…★3グリズリー「俺」、★2ブラックベア3匹「ゼル・アリサ・ウィル」

 ガリオン…★3ロシナンテ「馬族」、★2イーグル「鳥族」

 フィーナ…★3ロック「鳥族」

 メリル…★3ダイアウルフ「狼族」 


 モンスター使いは1人で1-2匹連れているのが普通なので、4匹も連れているトムソンは驚かれていた。いや、本当は支配契約はしていないのだが、流石にそれは黙っておく。

 だが、★3が4匹もいるので、戦力としてはかなり大きいと言える。

 俺達は先行するが、原因を見つけてもなるべき戦わずに報告に戻るよう言われた。

 これだけモンスターの大量発生が起こる原因に簡単に対処できるとは思えないからだ。


 この日はコインブラの町で泊まり、翌日俺達は原因の調査の為北西の森に向かった。

 隊毎に調査する方向は決まっているので、俺達はトムソンの指示のもとに森の中を進む。

 全員がモンスターに騎乗することで早く進みたかったが、1人鳥族の★3ロックに人間が騎乗するのは厳しいため、俺が2人まとめて背中に乗せることにした。

 途中モンスターの群れに遭遇するが、昼間だからなのか、こちらの数を見てかどうかは分からないが、向こうが避けていた。

 さらに、飛行モンスターに空から偵察をしてもらう事で、モンスターが概ね北西の方からやって来るらしいことが分かった。


 こうして、ある程度進んだところで野営になる。

 俺たち熊族は寝ていてもある程度物音がすれば目が覚めるが、鳥族は木の上で寝るためかそういう芸当はできないため、交代で起きて番をすることになった。

 最初の番はトムソンだったので、俺も起きていた。

 すると、何かが近づいている音がする。

 数は5-6匹ほどだが、1つあたりの音が大きい気がする。

 接近を隠す気はない音だ。

 俺達は慌てて全員を起こして戦闘態勢を取る。


 俺はトムソンの指示により、モンスター全員にストレングスをかけていく。

 だが、全員は間に合わない内にモンスターがやって来た。


 そして、やって来たのは虎族が5匹だった。

 だがでかい。

 全員★4ではないかというでかさだった。

 しかも、俺はまだストレングスで大きくなっていない。


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