訓練
朝になり俺たちは朝食を取っていた。朝食を取り終えると国王が話し出した。
「昨晩は眠れただろうか?今日から早速訓練を始めてもらいたい。各々職業や魔法から得意分野があるはずだ。昨日のステータスからグループは割り振ってあるからそこで訓練に励んでもらいたい。王国の実力者をそれぞれの指揮官として配属してもらう」
そういうと部屋の外から5人入ってきた。その中にはアリスもいた。
「この5人はそれぞれ剣術、魔法、武術、槍術、弓術に長けた王国直属の軍の団長である。この者たちの元で訓練をしてもらう」
食事を取り終えグループ事に別れる。
分かってたけど魔法のグループだよな。抜け出して剣術のとこ行くか。
「私はこの国の宮廷魔導士のイシア=コースター」
幼い女の子だ。宮廷魔導士ってその歳でもなれるもんなのか。
「君が噂の大賢者?」
「え、ああ光牙です」
「光牙。《魔法創造》ってどういうの?」
「そのまんまですよ。魔法を創れるって言う魔法です。ノーリスクではないですけど」
「それはなんでも?ずるい」
「まあ今のところは。イシアさんはどんな魔法を使えるんですか?」
「見た方が早い。ステータス」
イシアがそういうと目の前にステータスが現れた
イシア=コースター
【性別】女
【職業】魔法使い
【魔力】55000/55000
【称号】賢者・竜殺し
【魔法】火炎魔法・水流魔法・大地魔法・暴風魔法・雷撃魔法・回復魔法
【スキル】神眼・魔法耐性
え、レベルが違いすぎる。しかも【神眼】ってなんだ?
「【神眼】ってなんですか?」
「これは全てを見通す眼と言われている。対象のステータスや弱点を見抜ける力がある。能力の全てが解明されてるわけじゃないけど」
「すごいスキルなんですね。魔力もそんな高いのか」
「魔力は成長する。光牙ならすぐ超えられる」
「でも子供なのにその魔力ってことは相当努力して来たんですね」
「子供じゃない。もう15歳だから」
「あ、すみません。まあ俺は18だけど」
「年齢は関係ない。私より年上の魔法使いを何人も倒してきた」
「勝てる人の方が少ないですよ」
「そうだね」
すごいドヤ顔で言ってきた。
「じゃあ次は光牙の番。ステータスみして」
「あ、はい」
最初からそれが目的だったのか?
「ステータス」
成瀬光牙
【性別】男
【職業】大賢者
【魔力】4000/4000
【称号】異世界からの召喚者・大賢者
【魔法】魔法創造・火炎魔法・水流魔法・大地魔法・雷撃魔法・暴風魔法・聖光魔法・暗黒魔法
【スキル】大賢者・魔法耐性
あれ、魔力量が増えてるな。
「この魔力量、、昨日召喚された人とは思えない。しかも全部の魔法が上位魔法だしおかしい」
「上位魔法?」
「うん。《火炎魔法》は《炎魔法》の上位魔法で水、土、雷、風、光、悪魔法の上位魔法が水流、大地、雷撃、暴風、聖光、暗黒魔法なの。すごい希少な《暗黒魔法》を持っているなんて。」
「まあ俺の場合は例外ですからね。その魔法とかの知識ってどこで得られるか分かりますか?」
「この城にある書庫にはある程度の情報はあると思うけど国王陛下に許可はもらわないとだめ」
「わかりました。ありがとうございます」
時間がある時に行ってみよう。
俺たちはグループ事の訓練場へと移動する。途中で剣術のグループが違う方向に行ったから俺はそっちについていった。
「光牙、なんでここにいるんだ?」
勇輝は勇者だから剣術の訓練をするのか。
「魔法は自分でできるからこっちの訓練をしたくてな」
「そっかー、なら勝負だな!」
「まあずっと続けれるわけじゃないけど」
ある程度使い方を教わって後は実戦をすればいいからな。
「あれ、君は大賢者の光牙さんでしたっけ?」
アリスが話しかけてきた。昨日のことは秘密ってことかな?
「そうです。1日剣術の訓練に参加したくて」
「わかりました。それでは訓練を始めましょう」
◇◇◇
「それではお昼休憩にしましょう」
午前中は剣の握り方や振り方、使い方の訓練だった。まあ基本的に誰も使った事ないから最初はこんなもんだろう。まあそれだけ教われば後は自分で何とかできそうだ。
「どうだったー?まだ基礎だから楽しくはないけどね」
「あ、アリスさんじゃないですか」
「もう大丈夫だから!」
「急に他人行儀になってたんでね」
「立場上しかたないでしょ。本来君が城外に出ることはまだ許されてないんだからね」
「そうだったんですか?」
「そうだよ。夜の森に入るのも危ないんだから。まあでも光牙なら多分もう大丈夫だけど」
「まだ魔法はなれないから練習は必要だけどな」
「そうだよ。だから道草食べてる暇はない」
アリスと話してると横から話を割って入ってきた。
「あ、イシアさん」
「イシアじゃないどうしたの?」
「どうしたのじゃないアリス。光牙をたぶらかして何してるの」
「人聞き悪いわねたぶらかしてなんかない!」
「すみません。俺が勝手についていっちゃって」
「じゃあ午後からはこっち」
イシアはそう言うと俺の引っ張る。
「また教えて欲しいことがあったらいつでも言って!」
アリスはそう言うと手を振って見送る。
「ああ、ありがと!」