大賢者
久しぶりの投稿です。
《魔法創造》か。考えただけで魔法が創れるのか条件を満たしたらなのか《魔法創造》自体を使って魔法を創るのか何も分からないな。それにどこまで創れるのか。あとスキルっていうのはなんだろう。すでに【大賢者】っていうのは持ってるけど。まあ一旦試して見るか。
俺は手を前に突き出した。
「《魔法創造》」
何も反応はない。
んー、何もないか。じゃあ創りたい魔法自体を思い浮かべてみるか。
俺は人差し指を上げ、ろうそくのように指の先から炎が出るイメージをした。炎の特徴を強くイメージする。熱く、物が燃えていくイメージ。
イメージしていくうちに身体が暑くなり体内で何かが巡っている感覚になってきた。今まで感じたことの無い新しい感覚だ。それが指に集まってくる。
ボッ!
指先に炎が生まれた。
「お、成功した!」
『《火炎魔法》を創造しました』
「誰だ!?」
頭の中で何かが流れた。しかし、その後は何も聞こえない。まあ気にすることでもないか。
一旦ステータスでも見るか。
成瀬光牙
【性別】男
【職業】大賢者
【魔力】1100/1200
【称号】異世界からの召喚者・大賢者
【魔法】魔法創造・火炎魔法
【スキル】大賢者
お、《火炎魔法》が増えてるな。魔力が100減ってる。魔法創るのに100使うのか。なら色々創ってみるか。
『《水流魔法》《大地魔法》《雷撃魔法》《暴風魔法》《聖光魔法》《暗黒魔法》を創造しました』
また聞こえた。魔法を獲得した時だけ聞こえるのか。それにしてもこんな簡単に使えるもんなのか。でも魔法の名前が思ってたのと違うなあ。そんなもんなのかな。魔力はあと500かー。なんか便利な魔法が欲しいな。んー、あ、魔法を耐えれる魔法が欲しいな。これはどうやればいいのだろうか。魔法から耐えてる事を考えれば良いのか実際に魔法に触れないといけないのかどうなんだろうか。まあイメージすればいいか。
俺は強くイメージした。しかし、何も起こらない。具体的に魔法をくらうイメージをし、自分が耐えられるイメージ、とにかく強くイメージした。
『《魔法防御》を創造しました。《魔法防御》がスキル【魔法耐性】に進化しました』
ん?魔法が進化?進化したらスキルになるのか、基準はな、、、、、、、、。
身体から力抜け、視界が真っ暗になった。
◇◇◇
「成瀬様!成瀬様!」
誰かの声で目を覚ました。そこに居るのはメイド服を着た女の人。
誰だ。こんなコスプレした人知らないけど、、、あ、思い出した!
「あ、すみません寝ちゃってました」
「大丈夫ですか?返事がないから入りましたがまさかこんなとこで倒れ込んでたとは」
そうか、あのまま急に意識を失ったのか。
「お食事の支度が整いましたのでご案内いたします」
「あーありがとうございます。お騒がせしちゃってすみませんねー」
「いえ、仕事ですので。こちらこそこの世界の都合で呼び出してしまって申し訳ございません」
「いやいや、あなたは悪くないですよ。まあ突然のことで驚いたけど多分みんな良いやつばかりだから安心してください」
「本当に申し訳ございません。この御恩は一生忘れません」
「まあ助けられるかわかないっすけどねー」
他愛もない会話をしながらみんなが居る場所に案内された。
「こちらになります」
「ありがとうございます」
俺は案内された部屋に入った。そこにはもうみんな揃っていて席に着いている。
すごいロングテーブルだ。流石って感じだな。俺は勇輝とゆいの近くの空いている席に座った。
「遅かったねどうしたの?」
「1人ぼっちで怖くなって現実逃避でもしてたのかな?」
「ああ、魔法の事色々調べてたら急に気を失ってな」
俺はゆいの煽りを無視して答えた。
「え、そんな危険な魔法なのか?」
「いや、どうなんだろうな、途中までは全然だったんだけどな。一旦見てみるか」
そう言うと俺は自分のステータスを2人に見せた。
成瀬光牙
【性別】男
【職業】大賢者
【魔力】3000/3000
【称号】異世界からの召喚者・大賢者
【魔法】魔法創造・火炎魔法・水流魔法・大地魔法・雷撃魔法・暴風魔法・聖光魔法・暗黒魔法
【スキル】大賢者・魔法耐性
「あれ、魔法の数が増えてる」
「しかもスキルのとこも増えてるし【大賢者】っていうのはどういうスキルなの?」
そうか、《魔法防御》が【魔法耐性】に変わったのか。それに魔力の最大値が増えてる。魔力を使えば使うほど増えるんだろうか。魔力が0になったからさっきは倒れたんだろうか。でもまだ残ってたような。スキルになると大量に魔力を消費するのかも知らないな。
「【大賢者】ってスキルはよく分かんないだよなあ。でもまあ結構簡単に魔法も覚えられたから《魔法創造》は難しい魔法でもなかったな。まだリスクがあるかも知らないけど」
「そうだね。私も自分の魔法がどういうのか知りたいし」
「2人はどんな魔法持ってるんだ?」
「私は《回復魔法》と《光魔法》と《炎魔法》の3つだね。光牙の魔法は炎じゃなくて火炎ってなってるけどなにが違うんだろう?」
「俺は《聖光魔法》ってやつだけだね」
確かに、火炎と炎の違いか。まあいつかわかるだろう。勇輝は《聖光魔法》よくある勇者って感じだな。
「魔法はまた今度あの人たちが教えてくれるだろうね。今はご飯食べようぜ」
食事を取っていると国王が話し出した。
「改めてこちら側の勝手な行動申し訳ない。先程も言ったようにこの世界を救ってもらいたい。この世界には魔王という人族とは異なる魔族という生き物という者が居るのだ。他にも様々な種族が居るのだが、その魔族と敵対関係にあるのだ。その魔王を倒して欲しいのだ。よろしく頼む」
国王はそう言うと深々と頭を下げた。
「協力するのは問題ないのですが魔族は本当に人族の敵なんですか?」
勇輝は国王に聞いた。
勇輝らしい考えだ。勇輝は優しくて頭の良い人間だから今の言葉で魔族側の事を考えたんだろう。
「というと?」
国王が聞き返した。
「種族が違うだけで争いをしているだけで本当は魔族にも事情があるのかもしれないと思っただけです」
「確かにそうかもしれない。しかし、魔族との争いは数百年も続いていて先に魔族が始めたと言い伝えられている。争いはなくて越したことはない。しかし、責められている以上こちら側も国民の為にも武力を行使する必要があるのだ」
「そうなんですね。そのような理由なら仕方ないとは思いますが。僕たちは今までそのような争い事とは無縁なのでいくら強い力を手に入れても役に立つかは分かりませんよ?」
「それに関しては心配しなくて良い。明日から勇者方には訓練を行ってほしい。この国の剣士や魔法使いの元で訓練する事で格段に成長するだろう。どの者も実力は申し分ない者ばかりだから安心してほしい」
「なるほど。みんな納得してるかどうか分かりませんがやるだけやってみます」
「礼を言う。全員が納得出来ては無いのだろう。しかし、こちら側はあなた方の安全を最善に考えて行動すると誓おう。そして、元の世界に帰る方法も必ず見つけだす」
元の世界に戻る方法か。俺の魔法ならもしかしたら出来るかもしれないから色々研究してみるか。それにしても魔王か、つまり地球にいた生物とは全く違う生き物がこの世界には居るかも知らないってことだよな。今日の夜こっそり抜け出してみるか。魔法の練習にもなるし。
こうして食事の時間が終わり自由時間になり後は寝るだけになった。