いい夢をみたとき
朝起きて、「いい夢を見たな」と思うとき、私は、一日が幸せに始まる気がする。
夢の中でなにがあったかなんて、起きた瞬間でさえはっきりと覚えていないのに。
ただ、無性に「今日はいい日だ」なんて思いこんでいるだけだ。
でも、一日の始まりがすっきりとしたような、なんだか楽しい気分ならば、なにげない日常に少しの華やかさが加わるように感じる。
平日の朝、早く起きて行かなきゃいけない学校も、いい夢なら、「まあ行ってやるか」なんて考えながら支度して、通学路を歩き出す。
どんな夢だったのか考えながら歩いて、気付けば校門をくぐり、下駄箱に着いている。
ここからは、友達としゃべりながら、もう夢のことなんて忘れている。
そうだ。そうなのだ。結局夢なんて忘れてしまうのだ。
なのにどうしたって朝の気分が上がってしまうのだ。
行ってしまえばどうってことない学校に、いつも朝ギリギリまで「行きたくねぇなあ」なんてゆううつも、いい夢の勢いに乗って、気付けば楽しんでいる。
いい夢をみたとき「もう現実か...。」なんて思わずにその夢の楽しい勢いに乗ってしまえばいい。
何気ない日常もきっと楽しくなっているから。