表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/62

竜騎士、無双する



 馬でも三〇分ほどかかる場所の上空へ五分もかからず到着する。

 そこには、無数のゴブリンに囲まれている人間が三人いた。


 たぶんあれだ。

 怪我をしたのか、一人が痛んでる。

 その一人を守るように二人がゴブリンと戦っていた。


 ゴブリンがねぐらにしやすい場所に近づきすぎてしまったのだろう。


「まずいな。助けてやらないと」


 俺の言葉を聞いたキュックは、一気に急降下をはじめた。


 ぐんぐん地上が近づき、衝突しそうな瞬間地面と並行に空を駆ける。


「ギャギ!?」

「ググギャ!」


 ゴブリンが俺たちに気づく。

 その瞬間、抜き放った剣でふたつ首を飛ばした。


「キュァァ!」


 鳴き声を上げたキュックが、大口を開けて一体の頭を噛み砕く。

 ゴブリンたちの注意を完全にこちらへひきつけた。


 戦っていた二人は、一人に肩を貸してその場を離脱していっている。

 よし、それでいい。


 三人が置いていった物の中に、初心者用のショートボウと矢を見つけた。


 地面すれすれをキュックに飛んでもらいそれを回収。

 空中で矢をつがえ、こっちを指差しているゴブリンに向かって射る。


 ガヒョン――ッ


 目から後頭部へ矢が抜けると、どさり、と一体が倒れる。


「ガギャ、ギギギャ!」


 ゴブリンたちは、空中にいる俺たちをどうにかしようと石を投げてくる。

 だが、まったく届く気配はない。


 二射、三射と矢を放っていく。俺は棒立ちだったゴブリンをことごとく倒していった。


 矢が切れた。

 三人は逃げられたみたいだし、あとは適当に追い散らそう。


 そう思っていると、ねぐらがあると思しき窪地から、他のゴブリンとは違う雰囲気をまとった一体が現れた。


 他のゴブリンは腰布程度しか身につけていないのに、そいつだけは、ローブのような布を纏っている。


「――、~~~」


 何かつぶやいている。


「ゴブリンシャーマンだな」


 通常のゴブリンよりも知能が高く、小規模の群れを統率することが多い。

 一番の特徴は独自の攻撃魔法らしきものを放ってくるところだ。


 ゴブリンシャーマンは両手の平を空へかざすと、小麦色をした光弾を放った。


 地上で相対していると厄介だが、空中で見ると大したことがないな。


 すいー、とキュックが攻撃魔法をあっさりと回避する。


「雑魚はいいけど、ゴブリンシャーマンだけは狩っておくか」


 あいつがいるのといないのとでは、ゴブリンによる被害が大きく変わると言われるくらいだ。


「――、~~~」


 また同じ攻撃を繰り返そうとしている。


「次でラストだ。行くぞ、相棒」

「きゅ!」


 敵の頭上へやってきたキュックが直滑降を開始する。太陽を背にしたせいか、どのゴブリンも眩しそうに目を細めていた。


「ギャーガ、ラーガ――!」


 ゴブリンシャーマンが再び光弾を放つ刹那、俺は剣で体を両断した。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新作 好評連載中! ↓↓ こちらも応援いただけると嬉しいです!

https://ncode.syosetu.com/n2551ik/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ