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第三章 崎山進の捜索(七)

夜巣で黄鬼と茶鬼と喧嘩になり、しぶしぶ人間の村をともに襲撃することになった進たち。食事を終えたその夜…



夜巣の世界はたいがい適温で、別段過ごしにくいとは感じないが、やはり長時間寝ていると体が冷えてくる。だからオレはいつもブチャノバのリュックから毛布を一枚借りて寝ていた。

 オレが毛布をかけてうとうとしていると、何だかそばでもぞもぞ動く気配がした。

 猫でも入って来たのかと思い、重たい瞼をしょぼつかせながら横を見ると、ぼさぼさの髪の毛が視界に入った。

 オレがぎょっとしてよく見ると髪の毛は上がって来て、オレと同じ顔の高さまで来ると白くなった。それはさゆの顔だった。

「あんたぁ。お休みかい?」

妙に声が艶っぽい。

何だかいい匂いがした。さゆは普段こんな匂いをしていただろうか。香水でも持っているのかもしれない…。

しかし、これはどういうつもりだ?まずくないか。

「さゆ…どうして一人で寝ないんだ?」

オレはそ知らぬふりをして言った。

「一人じゃ寝れないんだよぁ。何だか夜は暑くってえ…ほらぁ…」

とさゆは着物を手ではだけて見せた。白い胸元が見えた。

「お、おい」

「あんたぁ…さっきはあたいを守るためにあんなことを言ったのかい?悪いねえ…」

「おい、さゆ。何をやって…」

「だから寝れないんだよぉ。一人は怖いよ…」

「はあっ?」

「ほら、触ってごらんよ、こんなにドキドキしてるんだよ。あたいは」

さゆはオレの右手首をつかむと、自分の乳首まですっと引き寄せて、触らせる。

「ね?だろう」

「心臓の位置じゃないじゃないか」

「そうだったかい?あたいはもうダメだよ」

そしてオレの顔に唇を押し付けてきた。

オレの心臓がバクバク言い始めた。下半身も目覚めたようだ。

さゆの足がオレの体に絡みつく。

「ああっ!あんた…」

「さゆ、いいのか…」

オレもさゆの体を抱きしめるとしばらくしてさゆが腰を振り始めた。

「あああ。いいさ。いいに決まってるだろう」

「さゆ!」

あとは口づけをしまくった。尻に触れる勇気はなかったが、さゆが手首をもって尻を触らせる。

興奮してきた俺がさゆの尻をなでる。

お互いに体をなめていると、さゆが言った。

「早くしないとブチャノバが帰って来るよ…」

「そ、そうだな…」

周囲の様子をうかがうと、バサーはいなくなっていた。バサーは飯の後はいつもいなくなる。おそらく別の場所へ寝に行くのだろう。

遠方の様子をうかがうと、他の魔物達は寝ていたり、相変わらず酒盛りをしたりしている。こちらの様子を見ている者はいない。夜巣というのは壁がないので恥ずかしいものだが、みんなあまり気にしないのだろうか。

「けど、オレ初めてで、分からないんだ」

「え…さんざんやったじゃないか…」

「マジ…」

やはりそうだったのか…。

しばらく沈黙が続く。

「すすむ。ブチャノバが帰ってくる前に早く終わらせよう。ね?」

「わかった…でも…分からん」

「あたしが教えるから大丈夫だよ」

その後、さゆは指でオレのアレをつまんで、体内に入れた。その後は騎乗位になって、高速で腰を揺らし続けた。

「さゆ!」

「すすむ!」

(注:口調は激しいが、ひそひそ声でやっている)

一分でアレが出た。

割とあっけなかった。c

その後、さゆは自分の寝床へもぞもぞと戻って行った。

これはオレの初体験となった。




次の日も特訓は続いた。ブチャノバの小屋で「山菜と鹿肉のスープ」の昼食をとったあとの午後練だ。太陽の照る草原での実践だった。

前も言ったが、オレは今、牛頭ごずというキャラだ。体は茶色で、牛の頭に人間の体だ。十三回目の変化でなったキャラだ。今、牛頭のレベルは二十九だった。最後にセーブしたとき「すすむ」はレベル二十五だった。だからそれ以上のレベルにしておいた方がいいだろうと思ったのだ。オレはさゆとバサーにもレベルを上げておくように頼んだ。だが、二名ともあまり熱心に上げているように見えない…まあ、オレ一人で上げておけば何とかなるか…。

それからブチャノバにも戦ってくれるよう依頼したが、それは断られた。

「汝の問題なんだから汝が片付けろ」

と言われた。ちなみにブチャノバの仕事は鍛冶職人らしい。武器を作るのだそうだ。ゲームの「すすむ」が依頼すれば剣を作ってもらえたのかもしれない。ということは、ゲーム中では敵でも味方でもない中立のようなキャラなのだろうか。

ブチャノバが棍棒を振り下ろす。オレが盾で受け止めると、強い振動が来た。すぐに剣を構え直す。

剣の扱いにはだいぶ慣れてきた。だが、稽古に身が入らない…。

今日は夜巣には戻らないのだ。村を襲撃するので、八時までにアドガミ村へ行かねばならない。

草原の少し盛り上がっている場所で見学していたさゆが声を掛けてきた。バサーの姿は見えないが、どこか木の上にでもいるのだろう。

「おうい、そろそろアドガミへ出掛けないかい」

オレは横目でさゆの方を見る。ブチャノバの動きも止まった。

「そうするか…ブチャノバ。稽古を終わりにするよ」

「そうか…分かった」

剣を下ろすブチャノバ。

「気を付けて行けよ」

「分かった。ありがとう」

オレは剣を鞘に納めると、さゆの方へ歩いて行く。


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