俺は少女を説得する〈3〉
どうもお久しぶりです。
いつもながら遅くてごめんなさいm(_ _;)m
誕生日プレゼントだったものを、目をキラキラさせながら眺める少女。気に入ってくれたようでなによりだ。
あの後少女が、はやくちょうだいと言わんばかりに手を伸ばしてきたので、仕方なく渡したらこうなった。
ちなみに、元誕生日プレゼントは腕輪である。ちゃんとした宝飾店で購入したものに、魔道具屋で付与までしてもらったものだ。あぁ、これ売っとけば大金になったのに・・・失念してた。
宝石の類はもちろんのこと、魔道具も質にもよるが、同等以上に高価になる。ここで手放したのは失策だったか?というか、俺はなんでこんな高いのを贈ろうとしてたんだ。今思えばめっちゃ馬鹿なことしてた・・・
き、気を取り直して目の前の問題から取り掛からねば。
「そろそろ話してくれない?」
コクリ
おや?随分素直に頷いたな。
「じゃあキミの名前は?」
「・・・・・・」
「な、名前は?」
「・・・ノエル」
ふむ、この子の名前はノエルか。
「なんでこんなところにいたの?」
「・・・・・・」
なんでいちいち無言タイムを挟むの。タイムラグがいらないよ。
◇ ◇ ◇
その後に聞き出したものも含めてまとめて情報を整理すると、
1.名前:ノエル
2.職業:冒険者
3.幻惑の森にいた理由:おいていかれたから
らしい。
っていや、ちょっと待て。へ?この子冒険者なの?子供のような容姿で!?まさか年上だったりしないよね!?
「・・・失敬な。わたしは14。決してロリババアじゃない。少しだけまわりの子より背が低くて童顔なだけ」
え、口に出でた!?それともこれが噂に聞く『女の勘』ってヤツ!?
それはさておき、確かに14歳ならまだ納得できなくもない。つか、なんでその歳で『ロリババア』なんつう単語知ってるん?それになんだか饒舌だねぇ、キミ。
さて、茶番はここまでにしよう。話を聞いていた時から疑問だったことだ。
「おいていかれたってのは、誰に?」
俺が真剣な声色だったからか、少女―――もといノエルも、真面目な表情をする。その中に、つい少し前まで自身が持っていた表情もにじみ出ていることも見逃さない。
「・・・仲間、だった人達。元パーティメンバーに、だよ」
辛そうに瞼を震わせて答えたノエル。ふざけんなよ。見ていられないくらいに悲しそうじゃねぇか。
似た感情を抱いた人間だからだったのかもしれない。気づけば俺は、ノエルに1つの提案をしていた。
「なぁ、お前を見捨てた連中にさ―――――見返してやろうぜ」
これは俺が、はじめて本当の仲間だと思える人間に出会った瞬間だった。
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