俺が見た幻惑
お久しぶりです。長く間が空きました、ごめんなさい。モチベとやらの上げ方を知ってる方がいたら教えて欲しいです。
・・・ガチでごめんなさいm(_ _;)m
幻惑の森。
入ってすぐの浅層は他の森と変わらない静かで美しい森だった。木々の隙間から溢れる陽の光が心地いい。時折聞こえてくる小鳥の鳴き声がまた雰囲気と合っていて、この時はまだ「もしかしてこの綺麗な景色が幻惑だったり?」なんてひとりごちていられた。
しかし、変化というのは突然だ。
「ッ!?」
しばらく進んでいると強い風が吹いたため、目をきつく閉ざした。今までは穏やかだったというのに、急になんだったんだ・・・?
風が止んだのを見計らって、閉じていた目を開くと同時に、飛び込んできた光景に目を疑った。
「な・・・な、なん、え?えぇ!?」
さっきまでとは異なり、目に映ったのは沢山の枯れ木と辺りを覆う濃霧、そして―――
「こ、これは・・・いくらなんでも多すぎだろ・・・」
濃霧のせいで5メートル先もわからない視界に十以上も転がる、白骨死体だった。
◇ ◇ ◇
最初こそ驚いたものの次第に慣れてきたのか、死体を目にしても特に何も思わなくなった。肉がついていないためにグロテスクさは軽減されているとはいえ、慣れとは恐ろしいものだ。
だが、ここからが本番なのだろう。気を引き締めなきゃな。
陽の光が濃霧で全く届かないからか、時間の感覚が狂ってきた。ん?ルート?そんなものはとっくにわかんなくなってるよちくしょうめ。とにかくまっすぐ(のつもりで)歩き続ける。景色がほとんど変わらないため、ずっと同じ場所をぐるぐるしているか可能性もあるが、とにかく歩く。ひたすら歩く。バカの一つ覚えのように、歩く、歩く、歩く・・・
「帰レェ・・・」
「うわぁっ!??」
突然耳元で声が聞こえて飛び上がる。見ると、半透明な人影?がそこにいた。ソレは骸骨のみでできていて、さらに半透明なもんだから死んだ奴なのが丸わかりだった。ただ、黒いコートを羽織っているのが妙に格好よくて、なんか羨ましい。
咄嗟に剣と盾を構える。
「帰レェ・・・。ココハ生者ガ来テイイ場所デハナイ・・・」
・・・あれ?なんか忠告されてない?悪いやつじゃないの?
「死ニ呑マレル前ニ帰レェ・・・」
うん、忠告だよねこれ。幻惑とか言うから何かと思えば、これのことだったのか?親切そうだし、質問したら答えてくれるかな?
と、いうわけで。
「なあ、アンタ。幻惑ってのは、アンタのことか?」
聞いてみました。歩きながら。
「・・・・・・・・・」
あれ?無理だったかな・・・
「・・・ソウトモ言エル・・・。我ハ幻惑ト呼バレルモノノ一部・・・。故ニ我モマタ幻惑ノ1ツデアル・・・」
「他にも幻惑はいるのか?」
1つってことは、2つ目や3つ目もいる可能性は高い。
「然リ・・・。周囲ヲ見ヨ・・・、青イ影ガ見エルカ?」
「あ、ああ。なんかボンヤリしたのがいくつも」
「ソレラ全テガ幻惑デアル・・・。幻惑トハ即チ死者ノ魂ノ残滓ナリ・・・」
死者の残滓、か。あの白骨死体達のかな。
「ココヲ訪レタ者ノ多クハ、幻惑トノ暮ラシを忘レラレヌ為、ソノ身ガ朽チルマデココニイツヅケル・・・。ソウナル前ニ帰ルガ良イ・・・」
やべぇよ、この幽霊みたいな半透明さん、親切すぎだろ。そういや、俺の予想は違ってたっぽいな。外で死んだ人間の魂に会いにきた奴らの末路がアレだったわけか。
それはそうと、
「俺、別に死んだ人間で会いたい奴とかいないんだよな・・・」
「マダオ前ハ若イ・・・。両親ナドニ、死シタ者ハナイノカ?」
「だって俺、両親の名前はおろか顔さえ知らねぇもん」
「ソ、ソウカ・・・」
なんか同情された気がする。
「ナラ、1ツ頼マレテクレナイカ」
「な、何を?」
嫌な予感を覚えながら、一応聞いてみる。
だが、幽霊さんが答える前に、どこからかすすり泣く声が聞こえてきた。
「ひっく、んぐ、うぅぅ・・・」
少し間を置き、幽霊さんが返答。
「・・・ソコデ泣イテイル少女ヲ連レ出シテ欲シイ・・・」
薄ぼんやりとした視界の中で、俺は少女らしき人影を見つけた。
一体何がなんやらわかんないけど、これだけは言わせて?
あの、なんでそうなるんですかねぇ・・・?
また間が空くと思います。ごめんなさい。(投稿したら)次の話もできたら読んでくださると嬉しいです。