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俺の切実なお財布事情〈前〉

 ちょっと短いです。

 さて、新たなギルドカードをつくった俺が最初に向かったのは質屋だ。


 なぜって?そんなの金がないからに決まっているだろ(泣)。


 パーティで受けた依頼の報酬はいつも、パーティ用の口座にいれる決まりだったし、俺がソロで受けた依頼の報酬も、その大半はアイツらのためにパーティ口座に。

 つまるところ、今の俺個人の所持金は雀の涙ほどってことだ。

 ただ、幸いなことに、昔狩った魔獣の素材がいくつか手元にあった。今はそれを売って金にしようとしているところだ。


「らっしゃい。買取なら・・・って、マスターナイト!?な、なんでこんな店に!?」


 また『マスターナイト』かよ。なんなんだよソレ。っと、それよりも。


「魔獣の素材の買取を頼みたい」


「は、はい!少々お待ちを!」


 慌てた様子で目を白黒させていたが、店主は深呼吸をして落ち着い―――


「それで・・・本日は何の魔獣の素材をっ?」


 落ち着いてなかった。鼻息荒いし目が心なしかギラついている。正直ちょっと怖い。


「あ〜っと、今日は虎の魔獣の毛皮と、熊の魔獣の爪、それから狼の魔獣の牙を買い取ってもらいたいん、です、けど・・・・・・」


 俺が一言話すごとにズイッ、ズイッと近寄ってくる店主に気圧されながら返答。いや、マジで怖いんだけど。


「そうですかそうですか!ではこちらに素材を置いてください。査定が終わったらお呼びしますので、それまで店内でお待ちください!」


 にこやかにそう言った店主に頷くと、更に店主の顔がにこやかになる。ちなみに俺は反比例するかのように苦笑いしながら口元をヒクつかせている。・・・だって怖いもん。仕方ないじゃん。


 店内の待合スペースで腰をおろした俺は、ため息を吐いて脱力。なんか疲れた。今まではだいたい、素材の買取はアイツらに任せてたからなぁ。ソロの時なんか、素材回収なんてしてなかったし。

 偶然残していた素材だったが、今となってはありがたい。過去の自分に、敬礼!


 と、そんなボケ〜とした俺は次の瞬間にビシッと背筋をのばすことになった。


「な、な、な、なんじゃこりゃあああああぁぁぁぁぁぁ〜〜っっ!!?」


 さっきの店主の、もはや絶叫にしか聞こえない声が店内に響いたからだ。


 え〜と・・・あの、俺、何か不味いことしましたか・・・?


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