俺は彼女を寝取られたらしい
よろしくお願いします!
「ごめん、フィーくんとはもう、そういう関係には戻れない」
突然告げられた彼女からの言葉に唖然とする。
「ゴメンな、フィード」
続いて謝罪を口にする男は、気まずそうな表情だった。
突っ立ったままの俺をその場に残し、二人は宿屋に帰っていく。
もう、なんの言葉も出なかった。
◇ ◇ ◇
俺、フィード・リセイアは今日の昼頃、こうして彼女に見捨てられた。
俺と彼女とあの男は、いわゆる幼馴染ってやつだった。
「ちょうど、付き合いはじめて半年くらいだったんだよな・・・」
俺は現在16歳。告白したのは15歳の時だった。
約6ヶ月差の彼女への誕生日プレゼントも用意したのに、完全に無駄になっちゃったな。
「短かったなぁ・・・・・・」
宿屋に戻った俺は、少し遅い昼食を一人食べながらそう呟く。
今日はなんだか疲れてしまった。
いっそ、コレを昼食兼夕食にして寝てしまおうか。
物思いにふけりながら、モソモソと食事に運んだ。
食事を終えて部屋のベッドへ潜り込むが、しばらく寝付けなかった。
なぜなら幼馴染たちがいるであろう隣室から、甘い声が響いてきたから・・・・・・
一人枕を濡らす俺の心には、ぽっかりと風穴があいたみたいに感じられた。
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