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ブランケット

作者: 黒宮杳騏

一般人に紛れてるけど

本当は歪んでるんだ

真実を知ったら皆いなくなっちゃうから

僕は黙って心を閉ざして

軋む音がしそうなほど無理矢理に口角上げて

ぶんぶん頭振ってぎこちなく相槌打って笑う


だから僕の事を知ろうとしないで

僕の心に踏み込んで来ないで

その写真は僕じゃない

僕じゃない誰かなんだ

他人の空似なんだよ


書かれた数字がぶるぶる震えて僕の首を絞めあげる

逃げ場を失った僕は怯えながら電源を切った

これで誰も僕を見つけられなくなる

助けを求める事も出来なくなるけど

そもそも誰も助けてなんかくれないから

僕の居場所はどこにもないんだ



「ねぇ、ライナス。君の毛布を僕にくれないかな?」



一般人に紛れてるけど

本当は真っ黒なんだ

裏側を知ったら誰もいなくなっちゃうから

僕は黙って心を閉ざして

上手く回らない舌とカラカラに乾いた口で

「そうだね」って同意してへらへらと曖昧に語尾を濁す


だから僕の事なんて放っておいてよ

僕の心を覗き込んで来ないで

その写真は僕じゃない

僕じゃない誰かなんだ

他人の空似なんだよ


秘密の数字がぐるぐる絡んで僕から酸素を奪ってく

逃げ場を失った僕は震える手で動脈を切った

これで誰も僕を傷つけられなくなる

助けを求める事は出来なかったけど

そもそも誰も助けてなんかくれなかったから

僕の居場所は「あちら」でいいんだ

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