☆第一話☆ ここから
「友達?」
「うん!」
「でも、まだ出会ってから一分もたってないんだけど――――」
「これも何かの運命だよ!・・・・・ね?」
「そっそこまで言うなら・・・・お名前は?」
「私は『佐倉叶夢』!『叶える夢』って書いて『かなめ』!それと好きなものは、夜空いーっぱいの星と月!これからよろしくね!」
「こちらこそよろしくね、佐倉さん」
「叶夢でいいよ!」
「え・・・でも」
「叶夢って呼んで!」
「じゃあこれからよろしくね、叶夢ちゃん」
「うん!あなたの名前は?」
「私の名前は『星野 るり』だよ」
「じゃあ、あだ名は『るーりん』でいい?・・・・ちょっと待って、星って言った?」
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星、月、夜空。
私の一番大好きなもの。
小さいころに家族で山にキャンプに行ったときの夜、空一面に広がる満天の星空を見て、私もこの星みたいにキラキラしたいって思った。月のように明るくなりたいと思った。
もともとスパンコールとかのキラキラしたものは好きだけど、夜空の星を見て『これだ!』って思って、星みたいにキラキラしたことをするっていうこともこの時に誓った。
入学する高校も『星』の文字が入ってるからここに決めた。
結構、偏差値高かったけど、たっくさん勉強してなんとかギリギリで受かった。
今日はその高校の入学式当日・・・・・。
『ピリリリリ、ピリリリリリ、ピリリ・・・・・ピッ』
目覚ましが鳴った、ということは・・・・・・。
「朝だ!」
今日はいつもの朝と違うみたい。
体中からエネルギーがあふれ出てきてる感じがする。
「あっもうこんな時間!みんなのこと起こさなきゃ!えっとまずお姉ちゃんから起こそうかな。でもお姉ちゃんは私が起こしてもちっとも起きないから、お母さんに起こしてもらおう。めんどくさいし」
「うるさいよ~、朝から何~?」
水色のドアから茶髪の眠たそうな声で出てきたのは私のお姉ちゃんだった。
「あっお姉ちゃんおはよう!今起こそうと思ってたんだ!」
「うそつけ~心の声が丸聞こえだったよ~」
しっ・・・・・・しまった!
なんとかして誤魔化さねば。
「えぇっと・・・おはよう?」
「なに無かったことにしてんのよ。あれ?叶夢ゆるふわパーマかけたの?」
「うん!どうかな?」
「叶夢にしては似合ってるんじゃない?いいなぁー高校生デビュー。私だって・・・私だって!」
そう言うと少し涙目になって、顔洗ってくるとだけ言って行っちゃった。
お姉ちゃんに何があったは知らないけど、次はお母さんを起こ・・・って、もう朝ごはん作ってた。
「叶夢ー葉月ー、ご飯よ~」
「「はーい!」」
お父さんは、もうお仕事に行っちゃった。
いろんな有名なバンドの作曲とかやってて、最近売れっ子が出てきて曲作りが大変!って言ってたけど、顔はすごい嬉しそうだった。
いいなーキラキラしてるなー。
そんなボーっとしている私に、釘を刺すようにお母さんが言ってきた。
「今日は入学式でしょ?早く食べて着替えなさい!」
いっけない!すっかり忘れるところだった。
早く学校行かないと!
「叶夢?何ニヤニヤしてんの?」
へ?だって。
「へへっ学校ですってよ奥様、学校ですっ・・・・」
「誰が奥様だ!早く行け!!!」
「わぁーわぁー分かった、分かったからそんなに怒らないで~」
「二人とも気を付けてね、お母さんも後で行くから。それとお父さんも、開会式までには学校に着くようにするって」
やったー!お父さんも来るんだ!
「叶夢、しっかりね?」
そんなこと言わなくても。
「わかってるよ!もう高校生だもん」
「転ぶんじゃない?叶夢のことだし」
「葉月、そういうことをあんまり言うと、本当にやっちゃうからほどほどにね?」
お姉ちゃんもお母さんも私のことバカにして。
これでほんとになんかやっちゃったら、この二人のせいなんだから!
「とにかく、入学式頑張ってね~」
「うん!」
「葉月もね?」
「私は高3ですぅ~」
へーこれで?
「ちょっと叶夢?『これで?』みたいな顔しないこと」
「ごめんなさい」
「よし」
ふと時計を見ると予定より十分も遅いことに気づいた。
「お母さんまた後でね、行ってきます!」
「行ってきま~っす」
「行ってらっしゃ~い」
電車の車内アナウンスが流れた。
「次の停車駅は、新滝川ー、新滝川です」
次だ!どうしよう。ドキドキとワクワクが収まらない!
こういうときは深呼吸、深呼吸。
「すーはー、すーはー」
「ははぁん?叶夢、緊張してんだ」
「緊張なんかしてないよ!あ・・・熱いからだよ!」
「はいはい。お姉ちゃんなんか超ヨユーだったよ」
「入学式の日、家で友達できるかずっと悩んでたの誰だっけ?」
「へ?・・・・叶夢、忘れなさい」
「絶対に忘れませ~ん」
「もう!叶夢ったら」
「へへっ」
新滝川駅
私と同じ制服の人がいっぱいいる。
みんな高1かな?
「なにキョロキョロしてんの?早く行かないと遅刻するよ?」
私はお姉ちゃんの背中についていきながらも辺りをキョロキョロしていると、案の定階段で派手にこけた。
「あーあー何やってんの、新しい制服が汚れちゃったじゃん」
「だって、だって!」
涙目になった私に「泣くな!」と強く言ってくるお姉ちゃんに、同じ制服を着たお姉さんたちが三人やって来た。
ネクタイの色からして多分お姉ちゃんと同じ高3の先輩だと思う。
なんか三人のうち二人が長細いバックみたいの持ってて、すごく重そう。
「あれ、葉月?」
たぶんお姉ちゃんの友達なんだと思う。
声をかけたお姉さんは、黒髪で背中まで髪が伸びている。
すごい落ち着いた雰囲気の人だなぁ。
「この子だぁれ?」
お姉ちゃんが自分の妹であることをお姉さんたちに告げた。
「えぇ~!この子があの叶夢ちゃん?」
そう言ったのは、赤めの茶髪でショートカットのお姉さん。
なんだかノリがよさそうな気がする。
「そんなに驚かなくてもいいでしょ」
「あれ?叶夢ちゃん泣いてるよ?なんで?」
べっ別に泣いてなんかないもん!
「あぁ、新しい制服が汚れて泣いてんのよ」
「うわ~たしかに入学初日に制服汚れるとテンション下がるよね~、私もあったあったー」
本当そうなんですよ・・・・・って、なにこの人超かわいい!
金髪で先っちょのほうがピンク色してて、太ももぐらいのところまで髪の毛がある。
そしてなにより見るだけでわかるぐらいの髪のつやと肌の色の白さ!
モデルさんみたい!ってなんで私、この人についてこんなに語ってるんだろう?
「叶夢ちゃん?私のことずっと見てるけど、何かくっついてるの?」
「いっいや!なんでもないです」
あぶない、あぶない。
あまりにもかわいすぎて見入っちゃった。
「あーあ、スカートがこんなに黒くなっちゃって。ちょっとじっとしててね」
「はい?」
そう言って黒髪のお姉さんがバックの中から取り出したのは、水の入った霧吹きとウェットティッシュだった。
「えっちょっ何するんですか!?」
黒髪のお姉さんは、私のスカートの汚れているところを霧吹きでびちょびちょにしてきた。
「あと少しで終わるからね~」
黒髪のお姉さんに続いて、モデル風の人がこのお姉さんについて説明してくれた。
「この子はね~、超超超きれい好きでね?こういう汚れとかを落とすのは大得意なんだよ」
と言ってる間に、制服は乾き終わって汚れも落ちていた。
「あっありがとうございます!」
私がうきうきしているとショートカットのお姉さんが
「入学式なんでしょ?早く行かなくていいの?」
あっそうだ!・・・・でも。
「あのーみんなで一緒に行きませんか・・・?」
「早く行け!!!」
「もぉーわかったよ、お姉ちゃんこそ遅れないようにね☆」
「叶夢に言われたくない!行け!!」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「葉月、妹には優しくね?」
「いいのよ、あれでやる気スイッチがはいるコだから」
開式10:00、現在9:40
「間に合ったー!!!」
駅のときはもう終わりだーって思ったけど、結果オーライ!
・・・あれ?人が集まってる。
どれどれー?先にクラス発表・・・・あっあの壁に貼ってある紙かな?
わぁ、人ごみがすごいや。
よし!私は行くぞ!
「すみませーん、通してくださーい。一瞬で・・・・一瞬でいいのでそこを開けてくださーい」
だめだ、人とざわざわで全然声が通らないや。
う~ん、どうしたものかな。
・・・あれ?あっちにも紙が貼ってあるじゃん!
しかもここより人が少ないしちょうどよかった。
校門の前に貼っとくのが悪いんだよ。
まぁ、見れればいいんだけどさ。
「あーるっかな?あーるっかな?」
「「あっあった!!」」
「「え?」」
それはそれは見事なはもりだった。
「ごっごめんなさい」
「え?なんであやまるの?」
そもそも謝る理由がないもん。
「だって・・・・」
その子は、黒い髪の超長髪のおとなしそうな子だった。
「別に謝らなくてもいいよ。それよりさ友達になろうよ」
「友達?」
「うん!」
「まだ会って一分もたってないんだけど・・・」
そんなの関係ないよ?
「これも何かの運命だよ!クラスどこ?
「私は5組だよ」
「私も5組だよ!ほら運命だって運命!・・・・ね?」
「そっそこまで言うなら・・・お名前は?」
「私は『佐倉叶夢』!『叶える夢』って書いて『かなめ』!それと好きなものは、夜空いーっぱいの星と月!これからよろしくね!」
「こちらこそよろしくね、佐倉さん」
「叶夢でいいよ!」
「え・・・でも」
「叶夢って呼んで!」
「じゃあこれからよろしくね、叶夢ちゃん」
「うん!あなたの名前は?」
「私の名前は『星野 るり』だよ」
「じゃあ、あだ名は『るーりん』でいい?・・・・ちょっと待って、星って言った?」
「あだ名ってどういう・・・?」
「それより、名前に星って――――」
私が言おうとしたときに校内放送がかかった。
『――――今日入学される生徒は至急、体育館にお集まりください』
「行かなくちゃ、行こっ!」
「うん!」
高校に足を踏み入れてまだ10分程度でもう友達ができた。
もしかしたら星の神様、月の女神様が私に味方してくれてるんじゃないかな?
ううん、絶対味方してくれてる!私はそう信じてる!
星の神様、月の女神様お願いです!私が夜空の星や月のようなキラキラしたことを探すのを手伝ってください!!
私の新しい人生が始まるんだ、ここから――――――――――――!!!
Star Light ☆ forever!を読んでくださりありがとうございます!
すぐに第二話も出すつもりですのでそちらのほうもよろしくお願いします。
作者の当作の参考となりますので、よろしければ評価のほうをお願いします(´▽`)