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Koloroー私は夜空を知らないー  作者: She Line
太陽に憧れる女
22/35

第二十話 恋 とは 検索


元の世界で、私が一番分からなかった感情がある。

―――――――――――――――――――それは【恋】。




「…つまり、私に惚れたと断言したダーク様とうちのルーナは渡さないと断言したルーノの二人が喧嘩になって、私の意見を求めようとボンボン様の部屋に来た…ってことね?」

「そう。ダーク様は正直、惚れっぽい人ではないんだけど…なんて言うか、突然すぎてルーノも気持ちが追い付かなかったんだろうね。珍しく声荒げててさ」

「…そっかぁ…」

ショコラ公の城の一室、物置部屋。そこに私達は隠れている。

「偶然にも、次男のビター様と言い争いしている現場を見て。これはやばいな、と。

ビター様は父親達を呼びに行ったし、俺はとりあえずルーナの身の安全をと思って」

いい判断だったと思う。あの場にいたら私は何もわからず困惑していただろう。

むしろ言い争いをヒートさせる言葉を言ってしまっていたかもしれない。

だがしかし、ボンボン様は怒り狂ってるだろうなとため息が出る。

「悪い人じゃないんだよ。ダーク様って」

「うん。それはわかるよ」

「だけど、なんていうか…こう、なんでルーナかな…と」

確かになんで私なんだと思う。THE普通!が私のはずなのに。

「二人とも大人だし、そのうち落ち着くと思うから、今だけルーナはここに隠れていてもらってもいい?」

「うん、大丈夫」

「俺は少し様子を見てくる」

ディアンが物音を立てないよう外に出て行くと、一人取り残された私は迎えが来るまでこの部屋で過ごす方法を考える。しかし、あまり落ち着かない。慣れない部屋に一人、と言う状況もあまり得意ではないし、物置だからか少し暗い。それもあまり嬉しくはなかった。それに…。

「…恋…かぁ…」

ダークチョコレートが私に惚れた理由が全く分からなかった。顔?体?それとも声フェチだったり?

ちょっとよくわからないが、一体全体、私の何処に惚れたのだろうか。

そして、それはこんなにも騒ぐような問題だったのだろうか。


“私ね、○○くんのことが好きで”

“キャー彼の髪をかき上げる仕草素敵!!”

“○○ちゃんが彼のこと好きって…”

“ねぇ、貴方は味方だよね!?”


恋とか愛とか、やっぱりそういうものはよくわからない。

恋をした時、人は平気で周りの人を傷つける習性がある。

恋は盲目、と言うが、周りの友人達の苦い表情すら気づけないほど、酷い感情なのだろうか。

そもそも、その子自体が周りの見えない子だったのだろうか。

私にはずっと、ずっと、そういう気持ちがわからなかった。

異性のことを、友情を超えて好きになることも、愛しいと思うことも。


理解しようとさえ思っていなかったかもしれない。


部屋の隅の壁にもたれかかって目を瞑る。

少し埃くさいし、寒いが、物の影になって暗いため、闇に紛れるように自身の意識も簡単に夢に溶け込んだ。



恋なんて感情にいい気持ちを(いだ)いたことなんて一度もない。

嫉妬に渦巻く女子達の目や、仲がいいだけで好意を持っていると勘違いをする男子達。

異性間に綺麗な友情なんてないわけで。いつもいつも、上手くいかない友情ばかりだった。

皆が大事にしているものと、私が大事にしているものは違う。


“……夕焼け、小焼けで、日が暮れて”


切実な現実、私にはそういうものを必要とした時期がなくて。

そう言う感情を持つ人を避けながら生きてきた。


“…山の、お寺の鐘が鳴る”


声に惹かれて私は目を開けた。暗い物置の部屋じゃない。

いつの間にか私は夕暮れの教室に立っていた。


白い粉が綺麗にとれてない黒板、規則的に並んだ机と椅子、窓から差し込む(あか)い光。



“お手て繋いでみな帰ろ”



影になった貴方の横顔。



“カラスと一緒に帰りましょう”


黄昏時の教室が一番嫌いだった。

貴方の手の温もりを想いだすから…。




「ルーナ!!」

「ふぇ……くちゅっ…」

突然呼ばれてくしゃみが出た。

さ、寒い。いつの間にか眠っていたようだ。それもこんなにも寒い物置小屋の中で。

「ディアン、毛布を持ってきてくれ」

「わかった」

ルーノだ。眠気眼(ねむけまなこ)で彼の様子を見た。

先ほど、ダークに向けていた怒りは収まっているが、私に対して焦りと心配がある様子。

彼の髪の隙間から見えた哀しみの光。

「大丈夫だよ」

彼の頭を撫でた。寒いし、起きたばかりだからだろうか、頭が朦朧(もうろう)としていてしんどい。

早く起きなくちゃと思うのに、なかなか起きることができない。

ルーノが私のおでこに手を当てた。それから流れるように頬に、首に。

「ルーナ、熱あるだろ…」

「え?」

呟いた彼の声もちゃんと聴きとれない。

っていうか、あれ、視界も何処かぐるぐるしてて、気持ち悪い…。


彼は私を抱えた。驚いて少し声が出たが、視界がぐらついたせいで気持ち悪さのほうが勝ち、ぐったりと彼に自身の体を預けた。本当に、そんな細い腕の何処に私を抱き上げる力があるのだろうか。

「兄さん、毛布を」

「ルーナが熱を出してる。何処かに空きのベッドがないか聞いてくれないか」

「え!?でも、それじゃあ早く帰ったほうが…」

「いや、この身体に馬車は(こた)える。ダメだ」

「…そうか…わかった。聞いてくる。客間にソファがるからまずはそこに」

「わかった」

どこか遠くで聞こえるディアンとルーノの声。

あれ?私熱出してるんだ。なんてボーっとしながら聞いている。まるで他人事。

荷物のように片手で私を抱き上げている彼。もう片方の手で私に毛布をかけると、背中を優しく擦って来た。安心できる、温かい手。


穏やかで、心地のいい鼓動。

服越しに伝わる彼の温もり。


私は再び深い眠りに誘われた。


少しばかり更新遅れました。

病院や、春休みに入った友人達と遊ぶのに夢中になっていたら

随分と体調を崩していたようで…。今日も頭痛と戦いながら書きました。


明日も友人と会う予定なのですが、体力が持つことを祈るばかりです…(笑)


今日もご愛読ありがとうございます。

ぜひ、評価ボタンや感想をくださると泣いて喜びます…!!


趣味でイラストを描いており、上手、とは言えませんが

時々、Twitterに載せて行こうと思いますので

小説の更新情報、また私のイラストに興味ある方ぜひTwitterをご覧ください。


@She_Line_Kreuz

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