表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
En-gi  作者: 奇文屋
41/71

首都攻防戦7

 夕闇に立ち上る黒煙を眺める。

「そろそろですね」

「あぁ。気を抜くな」

 これまではこちらの予測通りに運んでいる。ここで詰めを誤れば全てが水の泡。

「『姫歌きか』無茶をするなよ」

「その言葉は千の数で敵陣に突入する様な策を考えた方に言って下さい」

 隣に控えるのは私の娘の姫歌。

軍に入り私のコネを使わずに努力をしている。

今回の配属には色々と言われるかもしれないし、今まで姫歌がやってきた事を否定する事になるかもしれない。しかし、私情を挟んで負ける様なことがあってはならない。

「すまんな」

 つい口に出た言葉。

「いえ。お考えは将軍と同じです」

 その真意を掴み、優しく微笑む。

その配慮を見込んでの配属。この死線で生き残れるのは、兵を生き残させる事の出来るのはこういった指揮官かもしれないな。

「将軍。北の方に粉塵が見えます」

 偵察兵の言葉通りに粉塵が見え、地響きが聞こえる。

それは徐々に聞く、では無く感じる、と行った表現が正しくなってくる。

「よし。各員無事に園典に帰るぞ」

 声を上げる事が出来ない状況。

しかし、ここにいる全員の心は一つ。

 剣を抜いて、息を整え心に意志を刻み、振り下ろす。



 日も暮れた陣の前に現れた兵。

それらは攻撃を加えつつ散っては集いまた散っていく。

照明に移る姿は捉えきる事が出来ない。

しかし攻撃を加えられて黙っている訳にはいかない。

反撃しどこの部隊なのか、どの程度の規模なのか、情報を待つ。

その間に響く地響きと怒号。

それらは近づいてきて、

「司令官!! 先陣が落ちたとの!!」

「な」

 敵が攻勢に出たのか?

兵力も士気もこちらが勝っているというのに?

あの王子の演説で回復する程、王族の失態は軽いものじゃなかっただろう!!?

「なぜ急に」

「先陣の兵が反乱を起こしたのが原因かと」

「なんだとっ!?」

 所詮は盗賊。時勢が読めないか。

あと少しで園典を落とせたものを……!

「迎え撃て。反乱の首謀者を見せしめに」

 その時幕舎の扉が開いた。

飛び交う怒号と銃声がけたたましく室内に響く。

扉を開けたのは照明に照らされた姿から女だと分かった。

「誰だ?」

 見た事の無い女仕官。

しなやかそうな体に整った顔からは涼やかな視線。かなりの美人だ。長い髪を後に束ね、手には槍。服が赤く染まっている。

見れば、その服は、

「楽ぐ」

 言い終わる前に貫かれた兵。

「待て、」

 問答する間も無かった。

引き抜かれた槍は私の胸に突き刺さる。

 名を名乗る間もなく。



 逃走する跋維軍。

ここで徹底的に叩く。

合流した王子の部隊も加わり、第二陣は更なる喧騒に包まれた。

逃げ惑う跋維兵を討ち、陣を焼く。

悲鳴と怒号を金属の打ち合う音が夜空に鳴り響く。

「王子、追撃を」

 陣の中の敵兵は殆ど討った。

後は逃走する敵を叩く。

「将軍、追います」

「中佐、十分に気を付けてくれ」 

 未麻中佐が部隊を率いて追撃に入る。

「大丈夫か? 兵も疲れているのに」

「いや、ここで叩いておかないと後の後悔につながるかもしれません」

 叩けるだけ叩いて少しでも時間を稼がないと。

「それに残った兵もいます。ここにある物資を持って帰還しましょう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ