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En-gi  作者: 奇文屋
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一機駆け

 バイクと入ってもそこは軍用。

両手が使える様に足元にアクセルペダルがある。

両足でバイクを挟んでバランスをとる様に乗るのだ。

ちなみに、夕音守備隊では私が一番上手く乗れる。

「援護を」

「しかし、もう弾が」

「振りだけでいいからっ!!」

 そう叫んで弾丸飛び交う車外へ。


 こっちの射撃手が銃を構えて撃つ振りをするだけで敵は回避する。

その隙に私はアクセルを踏み込み敵に近づいてタイヤを一突き。

大きな破裂音と共に急転回する車。

空撃ちがバレる前に一台でも減らす!

槍を手に次の車へ、

狙いを定めさせずに右に左にと動いて、車に迫る。

「このっ」

 助手席の男が銃を構えるが、私の方が速い。

ガラスを貫いて男を貫いて後方に下がる。

車の背後には射撃手がいたが私を見るなり驚いて腰を抜かしている。

そのまま右に回りこみ運転席へ、

「ひっ」

 ミラーで私を確認したんだろう。表情が恐怖に満ちている。

躊躇わずに槍を突き出す。

 二台目。

車が転倒すると同時にアクセルを踏み込む。


 どこに指揮官が?

そこを叩けば追っ手も引き下がる筈。

残るは五台。頬を汗が伝う。

焦るな、焦るな。

冷静に、冷静に。

落ち着いて、私なら大丈夫。

荒い呼吸とは反対に心を落ち着かせる。

 ……四台目。

まだ追っ手は引き返す様子が無い。

 まだ、指揮官がいるのか? それとももう指揮官はいなくてその報復の為か? 


 五台目を大破させた所で、

「女ぁ!」

 後ろから私と同じ様にバイクに乗った男が迫ってきた。

前にかがんで攻撃をやり過ごし、すぐに槍を構え応戦する。

そのまま私を追い越して行き、反転してくる。

薙刀を軽々と振り回す男。

夕音で出会った男とは違う。

今はこの敵に構っている場合じゃないが、無視出来る様な相手でも無い。

 グッと槍を握り、間合いを計って、

「はぁっ!」

 突き出す槍、薙ぎ払う薙刀。

交差し、お互いがバランスを崩す。

アクセルを踏んで立て直し、切っ先を交える。

脚を締めバイクのバランス取りながら槍を突き出し、相手の攻撃を避ける。

 相手が速度を速めれば遅くなり、遅くなれば速くする。

緩急をつけ、私のペースに持ち込む。

「チッ!」

 攻撃が外れる度に悔しそうに舌打ちが聞こえる。

おそらくその攻撃は止めなのだろう。だから外れるとイラつく。

冷静さを失ったのなら勝機は私にある。

 それから数合打ち合う。

相手の攻撃に鋭さが無くなった。

「この、いい加減に」

 言い終わる前に私の槍が相手を貫いた。


 バランスを崩しバイクから倒れる男。

操縦を失ったバイクはそのまま走り続け転倒。

私はアクセルを踏み込んで先に行った仲間を追いかけた。

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