2人の自己紹介
「... グリムレグヌム... ?なぁ、本当にこの国の名前は本当にそうなのか?なぁ?」
ナンセンス...そんな言葉が思い浮かぶようなワードに私は軽くイラッとしてしまう...
「...?そうだが、どうかしたのか?」
私の声色に気にも留めずヘンゼルは返す...その言葉を聞いた生徒の1人が口を開く。
「なっどうしたんだ蒼月?それにあんた!王様?グリムレグヌム?何をいってるんですか!?」
そいつに続くように他の生徒も騒ぎ始めた...このまま騒がれると少し面倒だな...
「なぁ?ヘンゼルさん?王様ってのは時間にルーズでもにこやかな笑みを浮かべるほどに寛大なのか?それに騎士団長様が直接来てくださったって事はまず、珍しいと思うぜ?...部下も連れずに」
ヘンゼルはその言葉に驚いたように目をパチクリすると、
「っ?!すっすまないがすぐに一緒に来てはもらえないだろうか!?待たせると...団長としての面目とか信頼とかが...」
...素直な性格だがはっきり言わせてもらうとそんなの関係ないとすら言える状況だ。ってか拉致っておいて縄で縛らない、一緒に来てほしいとは抜けているってレベルじゃないだろ...
ここは少なくとも私も全員への説得に加勢でもしておく必要がありそうだな...
「なあ皆、今起こっている事についての説明は王様様ってのがやってくれるらしいぜ?なら、ここはこの騎士団長様ってのに案内してもらうのが最善だろうさ。」
「へぁっ!?」ヘンゼルのすっとんきょうな声が大広間に響き「違うのか?」と私が聞くと「いっいえ...」と返す。
周りを見渡すと誰も意見を言おうとしてる者はいない...ってか、言えないだけなんだろうが、「よろしく」と私がヘンゼルに声をかけると「あっ、うん」と騎士団長(自称)らしからぬ言葉を発した。
「蒼月さん...?」
ヘンゼルを先頭に2列に並び歩いていると写真部部長が話しかける。
「ん?どうした?」
「あっいえ、蒼月さん...ですよね?何気に名前知らなかったので...ってもしかして私の名前は知ってます!?」
「...君は相手の名前も知らないのに自らの名前は知ってもらっていると思っているのか...」
私が聞くと彼女はハッと遅れてきずいたような顔をし、「失敗しちゃったな...」と小さく呟いた。私はポリポリともみあげを掻くと口を開く。
「悪いが私は物覚えがどうにも悪いもんで...もう一度、教えてもらえるか?」
苦笑を浮かべ不器用に言葉を紡ぎ彼女に語りかける。えへへと可愛らしい笑みを浮かべた写真部部長は口にだす。
「私の名前は 桜月 星菜♪よろしくね蒼月君♪」
「ああ、なら私からも...蒼月 聖夜だ。よろしく」
・・・やっぱりこの名前はどうにも好きになれないな...そんなことを思い彼女と談笑しているとヘンゼルが突如止まりクルリと向き直る。
「謁見の間の前まで着きました。簡単なマナーを説明した方がよろしいでしょうか?」
ヘンゼルの言葉を聞き私は口を開く。
「是非お願いしたいがその前に質問だ。」
私はここまで来て禁句を口に出す。
「私達と王様の言葉がは通じるのか?そしてなんであんたは私達と同じ言語で話せるんだ?」
その言葉を聞いたヘンゼルは露骨に説明してなかった...とでも言いたげな顔をした...。
長引いてしまいましたが主人公の名前がやっと出せました...蒼月聖夜 (あおづき せいや)さんですね。次回はもう少し他キャラの自己紹介を挟めるといいんですけど...