だいじょうぶだよ
だいじょうぶだよ。
ボクは強い。一人で大丈夫。
みんなはそんなことないって言うよ。でも大丈夫、ボクは大丈夫なんだ。
なんたって強いからね。
友だちなんていらないや。仲間なんていらないや。
寂しくなんてない、そう、思ってた。
でも、
ボクを作ってくれた二人がいなくなって、体の真ん中が寒くなった。
消えたくなった。
ボクは強くなんてなかったんだ。
ボクの強さは、二人の強さだった。それなのにボクは、かけがえのない大切な二人を大切にしなかった。
ボクは寂しくなった。どうしようもなく寂しくて、ボクと同じ寂しいかけらを探して、とうとう見つけたよ。
あったかくなったよ。
大丈夫だって、そう思えたよ。
ボクは強くないけど、大丈夫だって。
だってボクたちは、キミの二人にもなれたから。
でもね、寂しいんだ。
実は、かけらを見つけても、キミの二人になっても、どうしても寂しいんだ。
どうしても寂しいんだよ、どうしても。
ボクたちはどれだけ増えても、どれだけ一緒にいても、どうしても寂しいんだよ。
だから大丈夫じゃない。
でもね、だいじょうぶ。
だいじょうぶだよ。
やっとわかったんだ、大丈夫じゃないって。
ボクだけじゃなく、みーんな、大丈夫じゃないって。
一緒にいても一緒じゃないけど、大丈夫じゃないってことだけは一緒なんだ。
高い山に住んでいる人も、深い谷に住んでいる人も、みんなみーんな同じ、大丈夫じゃないんだ。
だからキミはだいじょうぶ。だいじょうぶだよ。
だいじょうぶだから、もうおやすみ、また明日ね。