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フィルター

作者: 白萩アキラ

街にフィルターが掛かって見える

遥々こんな所まで来た

何かを置いて来た気がしてならない

失望でもない絶望でもない

淋しさでもない虚しさでもない

不満でもなく不安でいっぱい

明日からの自分

僕は明日から何を思っているか

想像するのが怖い

期待に胸を膨らませてるのかもしれない

打ちひしがれているかもしれない

けれども今僕は明日が怖い

ひとりぼっちも恐ろしかったけれど

明日からは未知だ

窓から見慣れぬ街を眺めても

全てにフィルターが掛かったように

まるで現実味がない

このまま眠るのが怖い

僕はきっとまだ何かを

何かを置いてきたんだ

泣き叫びたくなるほど

不安で堪らない夜もあった

けれど今夜は孤独も一緒だ

ああ全てがフィルター越し

涙が溢れでるのなら

きっと僕の目を洗い流してくれ

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