過去の生活(ライフ)2
謎の場所
「それで、あなたがここに来た……ってわけですね」
「来たんじゃなくてあなたが連れてきたんですけどねっ!」
僕は声を張り上げて言った。
それもそのはずだ。だって、この人が僕を……
ん〜?
人じゃなかった……
だってさぁ、『背中に翼がある人型の生き物』を人間と呼ぶことができるのか?
いや、できないだろう。
これは……『天使』なのか……?
実在したのかっ?!
コスプレじゃないのかぁ?!
「なにを考えています?」
首を傾げつつ、天使(?)は問いかけてきた。
「別に……あなたは誰なんだろうなぁと思って」
天使(?)は普通の顔で答えた。
「私は大天使エリウルです」
……
自分で天使って言っちゃったよ!
まぁ見た目はそうだけど天使が存在するなんてありえないだろう?
しかも、大までつけてるし……
心の中で思っていると、天使?がまた問いかけてきた。
「その顔は……私のことを信じていませんね?」
完璧に心を見透かされていた。
そのため、僕は声が出せなかった。
天使(?)は少し考え込むと、わずかに微笑みながらこう言った。
「あなたは、生きています。」
「?!」
訳がわかんないんだけど……
「あなたは……生きています。」
同じことを二度言う天使(?)
「いやいやいや、僕はあの時確かにあなたの手で……?」
そこで、ふと考え込む。
本当に殺されたのか、僕は?
あれ……
記憶が……ない……
でも、あの時確かに僕はこの天使(?)に……
「あなたは、私に殺されたと勘違いしています」
「え、勘違い?」
「はい、確かに私はあなたを殺そうとした。しかしあなたは、私にこう言ったのですよ……《もし、死ぬのだったら……天国と地獄の狭間に行きたい》……と
僕はかなり驚きだった。
自分でも、そんなことを言うとは思っていないからだ。
「その言葉に、私はとても興味を持ちました。」
もう何が何だかわからなくなってきた。
興味を持った?
何に?
なぜ?
僕の思考を打ち消すように、天使(?)は呟いた。
「あなたは……死後の世界『エンドオブワールド』をご存知ですか?
「は……え……なに……?」
ますます分からない……
「死後の世界『エンドオブワールド』をご存知ですか?」
「エンド……オブ……ワールド?」
「ええ」
まったくの初耳だった。
今までで聞いたことがない名前だった。
本でも、出てこない。 なんなのだろう?
そう思っていると、天使(?)がまた思考を見透かしたように答えた。
「あなたは今、死んだ人間しかたどり着くことのできない、死後の世界にいるのです」
「死後の……世界?」
「ええ、あなたは生きたままこの世界にいるのです」
やっぱり、僕は生きてるのか?
今はそういうことにしておこう。
でも……
「死後の世界?なら、死んだ人間しかいられないのだろう?なんで僕がここに?」
……
少しの沈黙の後、
天使(?)はここぞと言わんばかりに重要なことを口にした。
「天宮司空音……あなたには、ここ『エンドオブワールド』で選択をして欲しいのです。」
「選択……?」
「ええ、ここは……あなたが言った通り、《天国と地獄の狭間》なのですから」
「えっ?!」
天使(?)の口から出てきた言葉は、
あまりにも嘘っぽくて、信じられなくて、どう言葉にしていいのかわからなかった。
ただ、一つ確かなのは、
天使(?)は、
とても真剣な表情で語っていたこと。