友達と相談
俺はライン通話で友達を呼び出した。
俺と同じ貧乏仲間、プールのインストラクターをしているマッチョだ。
「マッチョ、のもうぜ」
「俺金ねえよ」
「あるんだよ」
「わかった今行く」
俺は昨日ダンジョン掘って手に入れた1200万、部屋に置いて出ていくこともできない、マジで怖い、家帰ってなくなってたら嫌じゃん。かといって持ち歩くのも怖い、こんなん紙袋に入れて持ち歩けん。
俺は原宿のゴールドジムに通ってるマッチョに宅飲み提案して、ステーキと寿司のデリバリー頼んだ。都内にはステーキのデリバリーがある、これは田舎では考えられなかった。金あるやつは店いって食うんだろうけど、俺にはデリバリーでもかなり贅沢。ビールも10本くらい頼んだ、こりゃあ贅沢だよ。
マッチョも暇してるらしくて自転車で20分で来た。ちょっとして寿司もステーキも来て、俺たちの宅飲みが始まった。
「すげえな、日雇いでもしたの?」
「ヤマゲンじゃねえよ」
「なついなー」
「お前さあ、自衛隊が異世界にいく話してたじゃん」
「ああ」
「そういうさあ、異世界にいく話って色々あんの?」
「あるよ。もう色々ある。だいたい展開は一緒だけどな。まあ面白い作品は、展開はわかるんだよ?展開はわかるんだけど、予想ができないんだよな」
「あのさあ、ダンジョンに行ってさあ、現実世界の金になるやつとかある?」
「あー、ゲーム世界に行って、そこで手に入れた金?を現金にできるのは最近流行ってるよ、色々あるよ」
「それ近くの本屋にあると思う?」
「あー、微妙。流行ってるって言ってもサブカルじゃん。書店で扱ってないとこもあるよ」
「ジュンク堂にはあるかね?」
「あー、ジュンク堂方面だったら、サンシャイン通りの路地裏んとこに猫カフェとか学園カフェとかあるんだけど、あのあたりにえろ本メインに扱ってるとこあって、そこならアルファポリス物とか置いてあったなー」
「わかった、じゃあさ、ちょっと2万渡すからさ、買えるだけダンジョン漫画買ってきてくんないかな」
「おーけー。つうかさ、金あるんならすしざんまいいこうぜ」
「いや、俺きょう部屋から出たくなくてさ」
「はあ?じゃあ俺まだ食い足りないから食費くれよ」
「わかった、1万でいい?細かいのなくて」
「はあ??からかってんのか?」
「あ、ごめ」
「いや、ほんとに1万もくれんの?」
「いや、その代わり良いのかってきてよ」
「わかった、なかったらジュンク堂までいくわ」
漫画になってるってことは、その作者も、異世界にいったことがあるのかもしれん。
俺は手探りで進めるのがきつかった。漫画読んだら何か使える情報もあるかもしれない。俺は漫画を待った。俺は押入れに入れてある1200万をもう一度眺めながら震えて待った。
1時間してマッチョが帰ってくる、白いタンクトップにうっすらと乳首が透けて、たくましい胸板が俺を誘惑する。
「ごっそり買ってきたぞ!」
ありがてえ。
「そういえばお前スマホ持ってんじゃん。ネットでも見れるぞ、無料で」
「ああ、そうなんだ、悪いスマホよくワカンネ」
「小説家になろうってサイト検索してランキング読めよ」
「わかった、読んでみる」
そのあと少しだべって解散して、俺は漫画を読んだ。ダンジョンに行って試すことは決まったな。
1 持ち込み可能かどうか
2 ステータス見れるか
3 掘ったアイテム使えるか
この3つだな。あっちに持って行って便利そうなもの、今までは靴下だったけど、今度は靴履いた。あと日雇いバイトで使ってる軍手。あとタオル。
ーダンジョンへの転送を開始しますー