44 北の国へ 8
ここの門番さんは,なんだか髪の毛がつんつん立っていて硬そうだね。
あたしが髪の毛をじっと見ていたのが分かったのか,ロートに紙を返しにゃがらあたしに言ったよ。
「やあ。猫型獣人のお嬢ちゃん,山嵐型獣人を見るのは初めてかい?」
山嵐型獣人。へぇ。元はどんにゃ生き物だったのかにゃあ。初めて聞くよ。あたしがよっぽど目を丸くしてたのかなぁ。ズィルバーがあたしの襟をぐいってつかんで
「どうも。こいつが失礼な目で見てすみません。」
って言いにゃがら引っ張っていったよ。痛いよ。ズィルバー。
山嵐型獣人のまちは,石で出来たまちだったよ。
道も石。きれいな石が敷かれているよ。蒔かれているんじゃなくて,地面に平らな石が埋まっていて,道全体が平らににゃるようににゃってるよ。すごいにゃあ。歩くとコンコンって音がするよ。うわあ。楽しいね,ヴァイス。二人で道を飛び跳ねにゃがら歩いて行く。
「このまちで,靴を作る予定だよ。」
ロートが歩きにゃがら言う。
わ~い。ますますテンション上がっちゃう。コンコココンコン
まちに一件しかにゃい宿屋は,雨のおかげで,もういっぱいだった。えぇ~泊まれにゃいの~。
どうしたもんか。
「・・・でも,とにかく夕飯だね。
夕飯だけでも大丈夫ですか?」
「いいよ。私もどうにかしてやりたいけどねぇ。あいにく全部ふさがってるからねえ。」
女将さんが申し訳なさそうに言うんだけど。仕方にゃいよねぇ・・・
食べにゃがら,相談するよ。
「テントをどっかに張らせてもらうか?」
「いざとなったらそれしかないかな。
あんまり雨の中,テントを張りたくないけどね。」
あたしとヴァイスはひたすら食べるよ。
ここの丸いお肉は凄く美味しいよ。茶色いたれがかかってる。
給仕のお姉さんが来たので聞いてみるよ。
「お姉さん、これなあに?
え?はんばーぐ?おいしいねぇ。」
「コレハ?」
「へぇ~カルトッフルを揚げてあるの?こんにゃに細長く切って揚げるんだぁ。うん。美味しいよぉ。ね,ヴァイス。」
おかわりを持ってきてくれたお姉さんは,感心したように言ってきたよ。
「その子ヴァイスって言うの?小さいのによく食べるねぇ」
「ボク タクサン タベル。オオキクナル。」
「かっわいい~。」
お姉さん。ヴァイスをなでなでしてる。
デザートを持ってきてくれたお姉さんが聞くよ。
「今日はここで泊まりなの?」
あたし達はプディングのスプーンをくわえて顔を見合わせた。
「ううん。ここは一杯にゃんだって。」
「まぁ。どうするの?このまちに知り合いがいるの?」
「シリアイ イナイ・・ マタ ノジュクカナ」
「え?」
「うん。今晩泊まるとこ,ないんだよ。」
・・・ほんとにどうすんのかな。
・・・あたし達小獣だからよく分からにゃい。
給仕のお姉さんとお話しにゃがらヴァイスと二人でデザートもたくさん食べたよ。
そうしたら,お姉さんはしばらく考えてから,家に泊まりなさいって言ってくれたんだ。
「4人とも,私の家にお泊まりなさいな。」
「え?いいんですか?」
「こんなにかわいい小獣達が泊まるところがないなんて,かわいそうですよ。」
・・・かわいい?
ズィルバー,聞こえてるよ。
あたし達は,お姉さんのおつとめが終わるのを待って,一緒にお姉さんのお家に行くことににゃったよ。ありがとう。
さて。お姉さんの家では・・・・




