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ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ  作者:
第1部 1 にゃんでこんにゃことに
2/670

2 なんでこんなことに 2

ぼっちゃ~ん


 わがはいはねこである。名前はまだない。

 

 違~う!!

 溺れている。

 しょっぱ~い

 鼻が痛いよ~


 た・・・たすけて~

 温かいお湯。でも溺れている。

 気持ちよい温度。でも溺れている。

 ぶくぶく・・・

 

 ・・・・臭素・ヨウ素・古代海水・・・誰の声?・・・



・・・・・


 気がついたらふかふかのお布団の中だった。

 

「気がついたかな?」

「はい気がついてますっ・・・てだれ?」

 

あたしの顔をのぞき込んでいたのは・・

きれいな赤い髪をした男の人だった。

 赤・・・あたしは赤ってどんな色か知らないから,あとで赤って色だよってこと知ったんだけど。きれいな色だなってそのときは思った。


ご主人様達とおんなじような。でも,耳が違う。ご主人様達の耳は目の横に付いていたように思うんだけど,その人の耳は頭の上の方に付いていた。しかも。あたしの耳に似ている。その耳が時々ぴくぴくってうごくから,本能があたしを刺激する。


思わず飛びつこうとしたら,

「これこれ,やめなさい。」

 すぐに軽くいなされてしまった。

「まだまだ子どもだね。」

 別の声がする。銀色の髪の少年だ。この子も頭の上に耳が付いているけれど,あれぇ・・・垂れ耳だよ。


「8歳か9歳くらいかな。」

 赤い髪の人が答える。

「あたし6ヶ月だよ。」

 思わず言っちゃった。言葉が通じるわけないのにね。

 

 そしたら驚いた。

「向こうの世界で6ヶ月の子猫か。

 やっぱり8~9歳ってとこだな。」

 あたしの言うこと分かるの?

 

 ぐう・・おなかが鳴った。

 

「おなかすいた・・・」

あたしは朝から何も食べていない。

 いや,さっきお湯をたらふく飲んじゃったけど。

 お湯はご飯じゃないよね。


二人にクスクス笑われちゃったけど,まだ子猫です。ご飯は大事。

 

 起きなさいって言われて初めて気がついた。あたしの毛皮どこにいった?

 慌ててしっぽを確かめる。ある。ちゃんと三毛模様の大好きなしっぽだ。

 手を見る。つめが・・・変。この手はご主人様とおんなじ。人間の手だ。


 びっくりしているあたしに,ほらって言って,頭から何かすっぽりかぶせられた。

「俺のだからちょっと大きいけど,ワンピースみたいに着られるだろ。」

 銀髪垂れ耳少年が言う。

「くしゅん」

 くしゃみが出る。毛皮がないと寒い。


 お布団の所に台が運ばれてきて,その上にいろんな食べ物がのっかってる。

 食べちゃ駄目だよっていつも言われてたんだけど・・・これ・・食べて良いの?

 

 

 「食べていいの?大丈夫なの?」

「良いから黙って食え。」

って銀髪の少年。わあい。


 皿に口を付けていつものように食べようとしたら

「これ,お行儀が悪い。」

って赤い髪の方が言うんだ。


 そんなこと言われてもあたしにはどうしていいかわかんない。

きょとんとしていたら,

「食い方を知らねえ?まさかな?」

「いや。ありえますよ。」

って。


それから二人がかりで食べ方や食べるときの決まりを教えられた。

に・・・にゃぁ・・・心の中でつぶやく。何でもいいじゃない,食べられれば・・・


 その後はトイレだ。これもへこんだ。

 何しろあたしは由緒正しい(??)三毛猫。つまり女の子。

 対して二人は男の子。

二人ともかなり悩んで,厨房から女の人を連れてきてくれた。

 ありがとう。おかげで人間のトイレの使い方を覚えたよ。


それにしてもここはどこだろう。


猫,好きです。

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