18 次の温泉へ 4
翌朝,お魚たっぷりの,美味しい朝ご飯を食べた後,このまちの代表の魚型獣人の家に行った。
ヴァイスはお留守番。代表の魚型獣人の家に入れにゃいだろうからね。
3人でのんびり歩く。まちは美味しそうにゃ匂いでいっぱいだよ。
まちの代表さんは,一人ではにゃく,10人くらいいた。
このまちには,議会ってのがあって,まちの代表の人たちが集まって,いろんにゃことを決めるんだって。ちょっと珍しい形らしいよ。
ここにいるのは,その議会の,魚型獣人らしい。
ここで,いろんにゃ話を聞いた。
・・・途中で寝ちゃったから,よく分からにゃいけど・・・
目が覚めたら,
「では,明日から,めぼしそうなところを探します。」
って話ににゃっていた。あらら。
でも,よ~く見たら,ズィルバーも寝ていたよ。
「にゃんだ。話を聞いていたのはロートだけだったのか。
ロートだけで,話を聞きに来ても良かったんじゃにゃいの。」
ってズィルバーに言ったら,
「俺は寝てねぇ,ちゃんと聞いていた。」
と言うんだよ。よだれの跡の残っている顔で言ってもねぇ。
おひげがぴくぴくしちゃうよ。(にゃいけどさ。)
おかげで,何のために温泉がいるのか,聞きそびれちゃったよ。
後でロートに聞いとこう。ズィルバーには聞かにゃいよ。
その後は,まちをみんにゃで見て歩いた。
案内の魚型獣人は,議長さんの娘さんだとかで,きらきらする体をしていたよ。にゃんできらきらしてるのかにゃ。(お姉さんの名前はゴルト・フィッシュだって。)
そういえば,魚型獣人達には,しっぽはあるのかにゃ。
もしかしたら,ここの魚型獣人たちのしっぽも熊型獣人と一緒で隠れているのかにゃ。気ににゃるにゃ。
あたしはしっぽを一振りした。
「うっぷ・・こらっやめろ」
にゃんか雑音が聞こえるけどし~らにゃい。
「ここが,集会場です。」
きらきらしいゴルトお姉さんが言う。
「今,ちょうど,踊りの講習会が,開かれているようです。」
見ると,きれいな洋服を着たお姉さん達が,ひらひらする布を持って踊っていたよ。
「『RYU-GU-ダンス』って言うんですよ。昔から伝わっているんです。」
へぇ~
「このダンスを見ると,幸せになれると言われています。皆さん,良かったですね。きっと幸せになれますよ。」
へぇ~
「ちょっと待って・・・このまちの人は,いつもこの踊りを見れるよね。
じゃあ,いつも,みんなゃ幸せにゃんだ。いいにゃあ。」
「もちろんですよ・・・・・」
っていうゴルトお姉さんの顔がちょっと曇っている。どうしたのかにゃ。
集会場を出て,少し行くと,市場に着いたよ。
いろいろにゃものが売っているじゃにゃいの。
あっちをきょろきょろ,こっちをきょろきょろ,見るものが多くて困っちゃう。
あ!!あれは!!!
きらきら色とりどりのあめ玉があたしを呼んでいる。
「ロートぉ,お金ちょうだい。」
「虫歯になるから駄目だよ。」
「駄目って言われると,にゃおさら欲しいんだもん」
そうしたら,お姉さんが一袋買ってくれた。
「わぁい」
・・・・・
ロートが慌てていたけど,あたしは袋を握って,はにゃさにゃ~い。
楽しい気分であめ玉を口に入れて歩く。甘い。しっぽが勝手にピコピコ動くよ。
ズィルバーが手を出すから,仕方にゃしに一個手のひらに置いてあげた。あたしって優しい。もっとよこせって声はスルーだよ。
お店屋さんは他にもたくさんあった。
ロートがそのうちの一つに目をとめた。
「ちょっと待っててね。」
・・・待ってにゃいよ。もちろん,あたしもついて行く。
にゃんだろう。いろんな杖や,棒や,袋,色とりどりの石。
向こうには剣だの斧だの,ゴルトお姉さんに『槍』って教えてもらった長いものまである。
ズィルバーは,剣に興味を示して,出しては振ってみている。
危にゃいよ。
ロートは,お店の人と,にゃにやらこそこそ話している。にゃんだろ。
あたしは,1本の棒に目をとめた。
にゃんか,ご主人様のお母さんが持っていた棒に似ている。ちょっとまるっぽいのが付いてて,先の方へいくとだんだん細くにゃるの。色も白くて同じだよ。
でも,こっちの方が,にゃんかきれい。
光の加減かにゃ。時々きらきらと,いろんにゃ色に見えるよ。
お母さんが持ってた棒・・・にゃんていったっけ・・・
音楽するとき振るって言ってた気がする。
???し・・・し・・・し・にゃんとか。
・・・気ににゃるにゃ~。
思い出せにゃいって・・・キモチよくにゃいものにゃんだね。
じっと見ていたらロートが来た。
「この杖が気になるの?」
「えっ杖?」
そんにゃ名前じゃにゃかったと思うけどにゃ~。
ここは,魔道具というものを売るお店にゃんだって。
そろそろ,おばあさんにもらった石に,魔力っていうのを,込め直してもらわにゃくにゃたから,寄ったらしい。
「自分で込め直せにゃいのかにゃ?」
「おばあさんの魔力は,僕のと違うんだ。だからね。」
「でもよ,ミャアコの魔力はばあさんのと同じなんだろう?
なんでミャアコにやらせないんだ?」
ロートはにっこり笑った。
「ミャアコちゃんはまだ自分の力がよく分かってないだろう?
お風呂の分析に関しては,何も教えなくても勝手に出来るみたいだけどね。
後の力については,まだ,からきしだろう?
・・・本当に力があるのかも知りたいし。」
それからちょっと黙ってから続ける。
「もしかしたら,ないのかもしれないし。
僕たちには分かりようがないだろう?
だから,ここのご主人に,ミャアコが学べる相手を,紹介してもらおうと思ってさ。」
杖をいじりにゃがら,変だにゃあと思う。
「ヴァイスは学んでにゃいのに使えるよ。」
・・・・・
そんにゃわけで,あたしはここの人から紹介してもらった先生のところに行くことににゃった。にゃぜか,あの杖を持たされて。
杖はきれいだから,まぁ・・・いっか。