17 次の温泉へ 3
ゆっくりのんびり進んでいく。
雨も小降りににゃり,気温も上がってきた。
ヴァイスはますます大きくにゃった。
もう,道いっぱいに広がって歩くって感じ。
昨日辺りから,空を飛ぶことも覚えて,時々あたしを乗せたまま飛んでくれる。
最初は怖くて泣いちゃったけど,今では楽しみだ。
ズィルバーもあたしと一緒に,時々ヴァイスに乗って空のお散歩をする。
ロートだけは,高いところが苦手だと言って,乗ろうとしにゃいけど。
猫型獣人なのに高いところが苦手って・・・
ヘレロスフントの群れから逃れて2日目。
空から見ていたら,遠くに青い広いものが見えた。
「にゃに?」
ズィルバーが,
「おおっ!!!あれが海だぞ」
って教えてくれた。
海って青いの?
3日目。とうとう海辺のまちの入り口に着いた。
今までのまちとおんにゃじ。門番さんが立っている。
「『ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ』の方々ですね。」
見たことない獣人だ。
魚型獣人だって。毛がない。目が大きい。すごい。つるつるだぁ。
美味しそうにゃ匂いまでするよ・・・よだれがでちゃう。
その人はあたしを見て,ちょっとぎょっとしたみたい。よだれがまずかったかにゃ。
ヴァイスを見ても,魚型獣人達は,駄目って言わにゃかった。
この子がにゃんにゃのか分かるのかにゃ?
海辺のまちの向こうには,ずうっと砂浜が広がっていた。
すごい。でっかいトイレだ!!!!
にゃんかうれしくにゃっちゃう。
あたし達は,にこにこしにゃがらまちへ入った。
そしたら・・・
ヴァイスの周りにいろんな魚型獣人達が集まってきた。
みんにゃでヴァイスをこわごわのぞき込み,そっと触ろうとする。
にゃんにゃの?
宿屋へ入る。
今日はここでゆっくり休み,明日,まちの代表の魚型獣人とお話をするんだって。
ヴァイスはお部屋も,プフェーアト小屋も無理だそうで,親切な魚型獣人達が,簡単な小屋を作ってやるよと言ってくれた。ありがとう。
そこで,みんにゃで暗くにゃる前に,がんばって小屋を作ることににゃった。
まず,ヴァイスの体より大きめに4方に柱を立てた。
「おい,そっち持てよ。」
「おお。いいぞ。それをここに結びつけろ。押さえてるから大丈夫だ。」
柱と柱を何本かの木で横に結び合わせて,壁のようにゃ形に作った。
それから,何か草で編んだ布みたいな,すかすかしたものを壁に掛けると,あ~ら部屋ににゃっちゃった。
屋根は・・・やっぱり木を組み合わせてさっさと組んでいく。同じ草で編んだ,もう少し目がすかすかしてにゃいのを上に掛けたら,あ~ら屋根だ。
壁の一方は,出入りしやすいように,下の部分を止めていにゃい。
床にも少し厚めの草の絨毯を敷いたら立派なお部屋が出来ちゃった。
ヴァイスはく~んく~んと喜んでた。
もう,いつの間にか夏ににゃっていたということで,掛け布団はいらにゃいだろうということににゃったみたい。
夕ご飯は,おさかにゃ料理だった。あれぇ魚型獣人・・・いいのかにゃ~。
焼き魚,煮魚,甘辛いいソースのかかった唐揚げ,魚介類のサラダ・・・・う~ん。
幸せ~
「美味しいかい?ミャアコちゃん。」
「うん。おばちゃん。この甘辛いソース最高。」
元気のいい食堂のおばちゃんがあたしにおかわりをくれる。
「もう,お腹いっぱい・・・」
お腹ぱんぱん。
お風呂は宿屋ににゃかった。この辺の魚型獣人達は,海に入るんだって。だからおうちにはお風呂がにゃいんだそうだ。にゃるほどね~。
って,じゃあ温泉にゃんていらにゃいじゃん。
そのわけも,明日,教えてもらえるらしい。楽しみだにゃ~。
さすがに,
「夜の海はミャアコには,あぶにゃい」
と言うことで,あたしはまたお風呂にゃしで寝ることににゃった。
猫のままなら,ぺろぺろしてきれいにするのににゃ。
気のせいじゃにゃく,あたしこの前の銭湯からお風呂にはいってにゃ~い!!!!
あたしが寝ようとしていたら,ロートとズィルバーはこっそり出て行った。お風呂に入るに違いにゃい。ひどいよ。あたしを置いていくにゃんて。
ヴァイスのところに愚痴りに行ったら,もう,ヴァイスは勝手に海に行って,泳いできたみたいだった。いいにゃ~。っていうか,みんにゃひど~い!!!
あぁ 海辺の温泉に行きたい。