16 次の温泉へ 2
あ・・・危ない・・・
・・・・・・・
とうとうヘレロスフントの群れがあたし達に迫ってきた。
・・・・・・
おはようございます。
あたし,ミャアコ。
ロートとズィルバー,そして謎の生き物ヴァイスと一緒に温泉探しの旅に出かけています。
「あたし達3人で『ほっと・すぷりんぐ・にゃあにゃあ』」
「こらっ」
「現実逃避してんな!!!」
走れ走れ走れ・・・・二人は速い。ヴァイスも結構速い。あたしはヴァイスの首に必死にしがみついている。ヴァイスは時々翼もはためかせて前へ前へと走る。速い速い・・・
でも,とうとう2人とも息が切れて立ち止まった。
ヴァイスも止まる。
「やるか」
ズィルバーが言うと,
「仕方ないね。この辺で。」
フーフー言いながらロートがポケットからにゃにかを出してあたし達の周りに置く。そして,杖を取り出して,にゃにやら目をつぶって唱えだした。
「きたぞ。」
ロートは目をかっと開けた。
「いいですよ。」
にゃにが始まるの?
ズィルバーが走り出る。
ヘレロスフントの群れが,キャンキャンギャウンギャウン言いながら,ズィルバーの周りを取り囲む。
どきどきわくわく・・・
そうしたら,ロートがいきなりあたしの目を手で覆った。
「見えにゃい~」
「ミャアコちゃんは見なくていいんだよ。」
にゃんで~見たいよ~
ロートはしっかりあたしを押さえて目もふさぐ。耳もふさぎたいけどちょっと・・にゃんてことを。聞くぐらい自由にさせてぇ~
ズガッ ギャッ
バッシ ジコッ
グェッ グシャッ
にゃに にゃに にゃに ・・・・・・にゃにがおきてるのぉ~!!!!
「見ちゃだめだよ。見えてないよね。」
ロートの冷静な声がする。
「15禁だよ。」
えぇ~
見ると駄目?!
15禁ってにゃに~
「このお話は,15禁じゃないからね。」
「・・・待ってよ。ズィルバーだって,15歳ににゃってにゃいよ!!!!」
そしたらズィルバーのわめき声が聞こえた。
「俺は,一昨日15になったぞ!!!」
うっそだ~
その間にも,なにやら音が聞こえ続ける。
ドカッ ドサッ ボッ わっわわ!!!!
く~ん く~ん
音だけってだめだよ~。妙に想像しちゃうもん。
見ちゃ駄目って小獣に言っちゃいけにゃいんだよ!!
見るにゃって言われると見たいんだ~
じたばたしていたら・・・
・・・あれ・・・今、く~んく~んっていった!!!
ヴァイス~!!!!
「 待って待って待って!!!
ヴァイスも15歳ににゃってにゃいよ~」
ドカッ ぐちゃっ・・・
「おっっ!!!!ヴァイス!!ナイス!!!」
しゃれですか~?! しゃれですか~?!
それからボッと言う音と,熱さが伝わってきた。
その後,ビュービューって音がして,急にひんやりする。
「すげえぞ。ヴァイス」
すっご~くしりたいんですけどぉ
しばしの後,
「さ,もういいよ。」
ロートが手を離してくれた。
きょろきょろ・・・
あれぇ?
「ヘレロスフントの群れって,どこに行ったの?」
ロートもズィルバーもにっこり笑って
「お帰り願ったよ。」
「まあちっと,かわいがってやったら,喜んじゃってな。大急ぎで帰って行ったぞ。」
ヴァイスもうんうんって頷きながら,く~んく~んって鳴いている。
あたしだけ仲間はずれですかぁ!!!泣いちゃうぞ!!!
あたし達の周りが焦げている。
そこに,にゃにやら白いものが付いている。
にゃんだろう。
「すごいな。ヴァイスは氷魔法が使えるのか。」
あれぇ?!あたしだけ見逃した????
歩きにゃがら,さっきのことを少しだけ教えてもらう。
ズィルバーお得意の攻撃魔法と炎の魔法で,遊んでもらったら,楽しすぎたのか,ヘレロスフントの群れはやる気を失っちゃったんだって。
そこにヴァイスが一緒に遊び始めて,暴れ回ったらしい。
ちょっと騒ぎすぎで,あちこち散らかっちゃったので,その辺をきれいに燃やそうってことで,燃やし始めたら,炎がでかくにゃり・・・やべっ・・・て思ったところに,ヴァイスがブリザードを吹き付けたんだって。
ブリザードってよくわかんにゃいけど,氷みたいにゃものが細かく吹き付けてくるって言ってた。にゃにかにゃあ。
遊んだ後,散らかっただけにゃら,別に見てもいいのににゃ。それに遊びにゃら,あたしも一緒に遊びたかったし。
そう言ったら,
「大人の遊びだからねえ。」
ってロートが言うんだ。
大人の遊び・・・知りたいにゃあ。
次は見たいにゃ~
「駄目だよ。15歳になってからね。」
「ズィルバーはいいのに,にゃぜ~」
「俺は15になったと言ってる!!!」
怒鳴らにゃいでよ~
海辺のまちまであと3日・・・
あぁよかった。