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出会い2
「何やってんだ?」
男の首を掴んでいたのは少女だった。
ジャージを捲り、いかにも不良といった風貌で男を睨む。
「あ・・・ぁ・・・」
男は顔を蒼くし、ガタガタと震え始めた。
「失せろ!」
少女が男を放ると、男は、何度も転びそうになりながら逃げて行った。
「大丈夫か?」
「あ・・・はい・・・」
少女は莉兎に手を差し出した。
「ありがと・・・」
莉兎は少女の手を掴み立ち上がる、腰が抜けていたのかうまく立てない。
「家まで送ってやるよ」
「そんな!悪いよ・・・」
遠慮をする莉兎だったが、一人で帰れそうにもない状態だ。
少女は莉兎の手を取り、そのまま歩き始めた。
「え・・・え・・・!?」