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7ページ目

『初耳だけど』

『あら、そうだっけ。で、まぁ話を元に戻すと、意識のコントロールじゃなくて物語の作成になれば、そうね。例えば<俺は死刑囚だ。家族もいる。娘に会いたくて脱獄してきた>とか』

『他人の人生の記憶から変えるってことか? それをやるとどうなるの?』

『場合によるけど、元に戻さない限り現実との狭間で狂うわ。自分は死刑囚だって思うと誰にも見られない様に生活しなきゃいけないでしょうし、普通の生活はまずまともに送れないでしょうね。物語の設定次第で取り返しのつかない精神的後遺症が残ったりするかも』

『それ怖ええええええ』

『二つ目の方法は私自身の設定を変えること。例えば<私は、私を見るくらいなら泥棒に死んだほうがましだと恐れられているのでもし泥棒が私の近くにいるなら泥棒は自ら交番に自首する>とかね。まぁこれは泥棒の意識コントロールの側でも実現できることだけど』

『なるほど』

『三つ目は私が物質的に実体化して殴ってくる』

『いやに原始的だな。ていうか思ったけど、どれも泥棒が入る時点で出来たことじゃない? わざわざ僕らが縛られることはなかった気がするんだけど』

『愚問ね』

『は、どういうことさ?』

『私が面白くなければそんなのチ○カスよ!』

『やめろ! 神様がそんなことを言うんじゃない!』

『私が面白くなければチ○カスよ! 大事なことなので二回言いました。分からないなら何度でも言うつもり。三回目はいかが?』

『間に合ってます』

『そう? ちゃんと洗いなさいよね』

何がだよ。絶対変な勘違いされた。なんでこんなのが神様なんだ。威厳も何もあったもんじゃない。

『とにかく今あげた例は私が面白くないので却下』

『えぇぇえええええ!』

『で、そこでやっぱり思ったの』

『何を?』

嫌な予感がする。

『やっぱり耕太が戦うべきなんじゃないかって』

腕の縄がするりと解けた。ガムテープも自然に剥がれていく。そのこと自体余りに不自然すぎる。絶対におかしいぞ。ほら、母さんとか目を丸くしてるし。

『あ、ちなみに今のは<私は透明人間なので物質的に実体化しても耕太以外に誰にも見られない>という設定』


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