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「駄目だってば! そんなつまらない事しちゃ駄目だってばよ!」
「でも僕の力じゃどうにもならないだろ」
「大丈夫。私の力を貸すから。ちょっと待って」
リリスがごそごそやり始める。お腹あたりについているポケットに手を伸ばして――――
「どごでごっっドア!」
どや顔でよく分からないものを取り出した。
「一つ聞いていい?」
「何かしら」
「なんでそんなに某ネコ型ロボットっぽい設定なの?」
「神様業界にもいろいろ事情があるの」
なんだいきなり。リリスと出会って二週間だが、そんな設定聞いたことないぞ。
「時と場合によって設定を付加できるの。物語の神だもの」
「ああそう。別に使わないけど、そのどごでごドアって何なの?」
「どごでごっっドアだから! どごでごっっ!」
「言い方とかどうでもいいから!」
「どごでごっっ。はい、せーの」
「くっ……どごでごっっ」
「よろしい」
満足顔のリリス。泥棒がいるかもしれないってのに僕らは何をしているんだろう。
と、またパリンって音が聞こえた。一階からだ。そのことから推測するにどうやら窓が何かで割られたようだ。テレビで見たことある。音が大きくならないようガムテープを張り、ハンマーでガラスを割る。それから内側の鍵を開けて侵入。
「とにかく警察を呼ばないと。携帯はどこだ」
「そうなると思って耕太が起きる前に折っておいたわ」
「は?」
「てへっ♪」
「てへっ、じゃねええええええええええ」
「警察に頼ってちゃ面白くないじゃん」
「リリスが暇だからって僕を遊びに付き合わせることはするなよ!」
「偶然泥棒が入ってきたから仕方ないじゃん。耕太が戦って捕まえるところを見てみたいし」
「そういうのは夢の中でやってるだろ。現実にするのとは全く別だから!」
「ふーん」
「ふーんじゃないって。どうするんだよ。携帯が使えないから下に行かないと警察に電話できないし」
「だから、どごでごっっドア」