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10ページ目

「まさか家に泥棒が入るとは思わなかったよ。夜中に一家全員で泥棒に鉢合わせするとかなんかもうね、災難としか思えない」

「誰にもけががなくて良かったです。水野君が事件に巻き込まれたと聞いて、気が気じゃありませんでした。すごく心配しました」

本当に心からそう思ってくれているのが分かる。今もまだ微妙に目が潤んで、しかもこうして心配したよと言葉にしてくれることが僕にはすごく嬉しい。面白半分で話を聞きに来た野次馬とは違うのだ。どこ経由で情報が漏れたか分からないけど、学校の下駄箱に着くや否や、ほとんど尋問に近い形で群がるクラスメイトに事件の内容を根堀り葉堀り聞かれた。その対応に朝から疲れてしまった僕だけど、でもこうして磯野さんの顔を見ることが出来て、疲れも吹き飛んでしまった。さらさらふわっな髪の毛にはキュンとなってしまいます。ぱっちりお目めのくりくり具合は見るものを恋の底無し沼に沈めてしまうでしょう。整った透き通るように白いお鼻は理知的に見えます。バラの蕾のように可愛らしいピンク色の唇は、よからぬことを妄想すると脳髄がとろけてきそうです。いやいやそもそも僕が磯野さんの顔を見ることすらおこがましいくらい。もう半径10メートルにいれるだけで胸がいっぱいになる。ああ、なんて完璧な顔立ちの方なんだろう。性格も申し分ないほど素敵であらせられるし。聖母マリアの生まれ変わりと言われても僕は信じるぞ。これは神様が全力を出してつくりあげた可愛さの結晶に違いない。や、でもリリスみたいな神様はないな。いつも自分が楽しくなることしか考えてない奴には到底無理だろう。

「ん? 今なんか失礼なこと思ってなかった?」

この声は。上を見るとリリスがどこか不満顔で僕を見下げていた。ぱたぱたと白い羽を動かし、すすっと下に降りてきた。そのまま僕の横に陣取る。

「あ、そろそろホームルーム始まるそうです。水野君、詳しい話は後で聞かせてくださいね」

先生が入ってきたようだ。磯野さんだけでなくみんなが前を向く。廊下で話してる奴らも急いで席につく。僕は一番後ろの席だから、変な行動をとらない限りそんなに目立たない。これを前のほうの席でやると何一人言言ってるのってなる。一番後ろの席でも一応手を口に添え、声を小さくする。

「なんで学校に来てんの」

「耕太のことが少し気になって」

「学校には来ないっていう約束だったじゃん」

「周りに迷惑かけてないんだから別にいいでしょ」

「僕が迷惑してるんだよ」

「夢の中でいつも楽しい思いをさせてあげてるのは誰なのよ?」

「それはまた別の話だろ? 今日のは実際の世界で起きた事件だ。物語がどうこうって話じゃない。しかもリリスは自分が楽しむことしか考えてないから僕を無理やり戦わせようとするし」

「何よ、私のおかげで助かったようなもんなんだから少しは感謝してくれてもいいんじゃない!? 分かったわよ。はいはい帰ります」


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