表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

絵はがき

作者: 尚文産商堂

手紙が届いた。

どうやら旅行をしている両親からのようだ。

裏面の絵から判断するに、どうやらパリにいるらしい。

凱旋門とエッフェル塔が一緒に入っている写真だ。

フランス語で書かれた住所の下に、日本語でメッセージが書かれている。

そこから両親が楽しんでいるのが、はっきりと分かった。


私は、両親がいない間の留守番をしていて、時折送られてくる手紙に目を通している。

今年で真珠婚を迎える両親に、私がプレゼントとして贈ったものだ。

銀行で働いている私が、これまでの恩返しということで贈ったものではあるけど、一番の心配は、無事に帰って来られるかということ。

どうやらこのまま最後までいってくれそうだからよかった。

だとすると、次の問題は、父親がちゃんとしてくれるかなのだが、それも私にはどうしようもない。


「ただいまー」

1週間後、旅行から無事帰還した両親を出迎える私の目に飛び込んできたのは、母親が首から下げているネックレスだ。

「お母さん、真珠のネックレスって持ってたっけ」

「ああこれ?」

つまみ上げて私に見せつける。

「まさか、贈ってくれるとは思ってくれなかったわよ」

私が父親に託した真珠のネックレスは、無事に渡すことができたようだ。

「真珠婚の記念なんだから、真珠がないとね」

私は母親にそういうと、父親を見た。

なにか恥かしそうな顔をしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ