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しばらくすると拡声魔術によってコロシアム中に試験官の声が響き渡る。
対決する者の名とその勝者を告げる。
いろいろな術師や武術家が火花を散らす。
流石はレガンス王立魔法武術学園といったところか集まっている人間の幅が広い。
年齢と才覚さえあれば、人種・亜人・術師・武術家何でもアリ。
若い受験者しかいないとはいえ単独で魔狼の砂城を超えてきた猛者たちの集まりだ。
子供の喧嘩どころの話ではない、岩を砕く一撃、一瞬で数百発の魔力弾の飛び交う戦場を切り取って来たかのような。
試合数が20を超えた頃、俺の名前が呼ばれた
試合相手を見ると黒いローブに大量の札
導師かな?
導師・・・あらかじめ札に術式を込めたり人形に擬似的な魂を込めて操るなど数多くの秘術が残されていると言われている
試験官が試合開始を告げる
おれの準備とかは関係ないんですね・・・。
試合相手が、札に魔力を込めると投げつけてくる。
やけに簡単に躱せるな初めから避けられることが狙いのような・・・
背後を振り返ると地面に触れた札から光が発せられる。
<地牢 内針>
地面に針が生え捲れあがり対象者を包み込むように発動する。
危なかったあと一秒遅かったら串刺しだった。
脚に魔力を集中し上へ飛ぶ!
武器に変えられそうなものがない
周りを見渡すが武器はおろか瓦礫すら落ちていない。
決闘用に堅牢に作られたコロシアムが裏目にでてますな・・・。
武器化できるものを探す間にも札は次々と飛んでくる。
<黒針>
<刃陣>
<飛剣>
針と剣が飛び交い札を中心に風の刃が飛び交う
どうしよう・・・自分以外の魔力のあるものは変換するのめんどくさいが致し方あるまい。
「この会場にあるものなら何でも使用可能ですよね?」
試験官に最終確認
大丈夫ですよ~っと緩い感じで答えられた
まぁ・・・大丈夫ならいいです
このコロシアムには、試験官・受験生・受験生の持ち物以外には瓦礫ひとつない
ただ一つ、入って来た鳥居を除いては。
≪汝、神々が与えし我が能力に従いその身を武器に変えよ≫
鳥居に触れて、魔力で包み込み凝縮し望む武器の形に再構築する
転移用ゲート→双剣
攻撃 D
耐久 D
切れ味 C
固有概念 空間切断 空間連結
付加能力 選定
付加概念 無し
武器化を見て周りがざわめくその喧噪ごと切り裂くかのように右手の剣で空を切る。
斬られた空間が割れたガラスのように、空気を吸収しながら修復していく
なるほどね・・・
左手の双剣を向けながら宣言する
「勝ちます」




