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「制限時間5分前・・・見渡す限り君以外の受験生も見えないようだし、今年はこれだけか」
周りにいる同世代と思われる者たちを見渡しながらつぶやく。
ざっと数えて200人ほどがいるように見える。
「あと50人くらいはここで落第すると思ったんだけどな」
レガンス王立魔法武術学園
この学校に入学する方法は、3つある
1つ目は、お金 中流階級以上貴族なら1人くらいの子供を通わせることができるだろう ただし卒業まで毎年大量のお金を払う必要があり払えなければ即退学となる。
2つ目は、学力 学園が行う学力試験を受け上位2%ほどが合格となる そして卒業までの各年の総合テストで上位10%に入らなければ即退学となる。
3つ目は、実力 学園が行う予備試験、本試験を合格できれば何百人でも受かることができるが、試験を失敗したものの20%は命を落す。
今年の予備試験会場は魔狼の砂城
広大な砂漠に多くの狼が住み着き群れを成す。
一般人が迷いこめば、次の夜明けを見ることなく白骨になる事だろう。
安全にわたりたければ、最低でも平均的な能力の冒険者を5人は連れていくべき場所だ。
その危険な、砂漠を10代ほどの子供たちが単独で横断していく。
無論、受験者の70%はここで脱落する。
だが、この試験でさえ本試験を受ける資格が無いものを振り分けるためのものでしかない。
「だが、今年は微妙だな・・・」
試験官らしき男は、つぶやいていた
「襲うように仕向けた狼を全滅させたのは5人 半壊以上させたのは40人 完全に逃げたのが70人か・・・」
ため息を吐きながら名簿を眺めつつ
「あ~お前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前とお前と・・・・・・・・・」
次々と受験生を指差し
「・・・・・・お前以外は失格 帰って良し」
はぁ~? っと呼ばれなかった受験生たちが嘆き殺気を試験官にぶつける
が! 「ウザイッ」その一言とともに飛ばされた気当りで呼ばれなかった受験生のほとんどは、気絶した。
「今気絶しなかった人は、予備試験合格で気絶した人は、ここに放置するので・・・今意識のある人は付いてきてください」
予備試験合格者が、試験官に続いて歩き出す。




