春めく
掲載日:2026/03/31
枯れた枝は
ぽつぽつりと桃に色づき
少しずつ春めいていく
温かなひだまりに
森の動物たちは
あわてふためいて
ふかふかのふとんから
そっと顔をのぞかせる
降り続いていた雪は
いつの間にか土に還って
栄養を吸い取った木々からは
花が咲き誇り
世界を彩りはじめる
モノクロームな冬から一転
多彩な春の訪れ
頬を染めた桜の下で
紙コップを天に掲げ
家族、恋人、友人たちと
笑顔を交わす
やわらかな風にのせて
花びらとともに
人々の歌声が混じってゆく
ひらり、ららら
ひらり、らるらら
あっけなく過ぎてゆく
この瞬間を
名残惜しむように
変わりゆく景色の中で
変わらない気持ちを探すように
ひらり、ららら
ひらり、らりら
いつの間にか
胸の奥に芽吹いた想いは
小さいけれど
もう息をしている
ひらり、ららら
ひらり、らるらりら
やがてまた訪れる春を
待ちわびて
今日は背中を押すように
花の歌声が響いていた
ご覧いただきありがとうございました。
春の色で溢れている。
誰かに届きますように。




