独り占め
父はひどく驚いた顔で俺を見た。
王立学園にジルの異母妹が入学して以来、俺がそのイカレ女に骨抜きにされているという噂を信じていたのだろうか。そして王位継承の争いを有利にするために、俺がジルを捨てて、トゥールーズ公爵家の害獣どもに乗り換えようとしていると。
俺は初めて計画について話した。後妻の娘であるイカレ女を稀代の悪女に仕立て上げ、両親ともども刑死させる計画を。
父は最初、俺の計画を拒絶した。そのような非道な行いは許されぬと。
俺は父に反感を抱いたが、顔には出さないようにして、その場はあきらめた。必ず父はこの計画に乗らざるを得なくなるだろうから。
俺は、昼はますますジルとは距離を置き、イカレ女と行動するようにした。そして夜は足繫く、イカレ女のもとに通うようになった。
最低で、吐き気と戦う日々だった。
イカレ女の相手は、俺一人ではなかった。王立学園の有力貴族の令息に対してなら、それこそ片っ端から色目を使っていた。いつだったか、体育館の倉庫から複数の男と出てきたのを見た時は、全身が粟立った。
俺が「寝てもいいから適当に付き合って、有頂天にさせてくれ」と令息達に頼んだのだが、ここまでやるとは思わなかった。
他の男の種を孕み、俺の子だと偽ってくるのを防ぐために、イカレ女にはこっそり強力な避妊薬を飲ませ続けた。
そうとは知らず、イカレ女は「テオ様の赤ちゃんができたの」と、喜色を浮かべて嘘八百を言ってきた。
俺は、突き飛ばしたいのをこらえて、イカレ女を抱きしめた。
そして、一人で笑った。ようやっと、ジルを独り占めできると。




