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プロローグ

見切り発車 戦闘シーンを描きたかっただけ

焼け焦げた匂いが鼻孔に通る

むせ返るような死臭が辺りに充満している。

≪GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!≫

嘶くドラゴンを眼前に、黒い黒い剣を。黒曜石のように漆黒で闇のように深く深淵より沈むような剣に手を携える

≪≪≪≪周囲には仲間だったなにかが黒く転がっている≫≫≫≫

その剣は幾度血肉を吸おうが決して赤くはならず、死血のようにただ黒に染まっていく。まるで色の終着点。総ての絵の具をぶちまけたかのような黒、黒、黒。いびつな程に他の色には染まらない闇の剣

柄に手を伸ばし前へ剣を突き出す男。九十九八百つくもやおは薄らと嗤う。

足元の残骸に対し歯牙にもかけず、それどころか路傍の石のように踏みつける始末。

仲間、とは言ったが一時的なパーティーに過ぎず特に彼らに感慨など持っていない。いや…そもそも

「莫迦な奴らだ。俺にPTなんていらない。邪魔な肉壁なんぞ俺にはいらんよ」

それどころか唾を吐き捨てるように仲間だったものに対し侮蔑の言葉を飛ばす

仲間…という認識は端からなくむしろ得物を邪魔する厄介な者としかみていなかったのだ

咆哮を上げるドラゴンに向け、瞬刻、ドラゴンは雄たけびを止める。

眼前にいる人間に対しそこらのゴミ同様に自身の火炎で灰燼に帰す。それだけで人間という脆弱なものは消え失せる。だが…

目の前にいるそれは、あまりにも黒かった。この世の闇を凝固したような人型のナニカ

どす黒い殺意と狂騒が塊になったように人型が塗りつぶされている

炯々と紅眸が光る。黒い瞳が殺意の深紅に変容していた。

少々のたじろぎがあったが臆すことなくドラゴンは喉から頬に火炎を貯め灼熱の息吹を超熱量で放出、先ほどの比ではないひとたび触れれば蒸発する灼炎を九十九に向け注がれる

灼骨どころか骨も残らない絶死の業火。受けて生存したモノは存在しない。さきほどはこけおどしか。

決着はついた。そう確信した一撃を―――――――――そいつは一振りで消し飛ばした

何ということはない。ただの剣気で焔をかき消し『ドラゴンの灼炎を上回るパワーで切り伏せられた』ただそれだけ、ただそれだけという無常。純粋なまでに力量差に開きがあっただけ

振り下ろされた剣撃によって刀身は赤熱化すら起こしていない。融解もなく鋭利さも健在で瑕疵ひとつ男ごと刻まれることもない。

―通常、この時点でドラゴンは撤退を選択するべきだった。だがドラゴンの誉れがそれを許さず

人間如きがドラゴンに勝てるはずがない。その妄信と傲りが明暗を分けた

炎が効かないなら爪撃で臓腑もろとも寸断する。そう思案し即断で実行。爪は剣の刃のようで

爪撃が放たれた時黒剣を振りかぶり迎え撃つ。

横薙ぎで放たれた爪撃に対し横殴りのように一文字に振り払う。金属と金属の衝突音が響く

一合、爪と剣の相殺で終わる。二合、振り上げる爪を大上段で切り払う。三合、爪の挟撃を左右全く同時に打ち払った。

四合、五合、十合、百合と双方の切り結びは一秒ごとに加速していき瞬く間に幾千もの剣撃が繰り広げられていた。

さしものドラゴンも息をつかせぬ攻防に喘鳴を上げるがあの男は息を荒げながらも…嗤っていた

破顔のまま哄笑に至りそうな恍惚に身を浸したように疲弊よりも闘争の喜びが上回っている。

それは攻撃速度が上がるたびに口角が吊り上がっていたのもドラゴンは見ていた。怖気が走る

これは人間ではない。人の形をしたナニカだ。これを人と形容することはとてもできないとドラゴンは慄いた。そして荒げた息のまま随喜に身を震わせたソレは言う

「ああ、お前はどうやって鳴いて死ぬのかな?」

瞬時にドラゴンは逃走にはいる。恥も外聞もない。あんな化け物を相手にしてられるか。そうやってドラゴンは彼から背を向けた

愚挙愚策。痛恨のミスをドラゴンは冒した。身を退くことに意識を向けすぎて寸隙を披歴してしまったのである

熱が冷めたようにため息を吐いた男はその背中めがけて黒剣を突き刺し抉り切りながら首級を討ち取った。

あるのは首なしドラゴンの開きにそのドラゴンの頭を掴み絶命したドラゴンと視線を合わせる。無論すでにドラゴンに生命は通っていない。遺骸の頭を掴みしばらく見つめた後。九十九は

―――――――そのドラゴンの頭にかぶりついた。

肉と骨を噛み砕く音が静寂の中響く。口に血と脂をまとわりつけながら九十九は

「喰らい甲斐がない…これでは飢えは満たされない」

平らげた後その場を後にした





なし

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