カブトムシの提案2
遅くなりました。申し訳ございませんでした。
今回はカブトムシから提案されてクラスメイトたちの心が揺れます。そこから、言い争いに発展して・・・みんなの心は一つになれるのか!?
楽しんでいってください!
「これは?」
「こちらのノート、書いたものやことが実際に起きる、というノートになっております。」
『ノートに書いたものやことが実際に起きるノート?』
「なんじゃそりゃ。」
「例えば、この教室の壊れて使えなくなった電気を使えるようにすることができます。」
「どうやって?」
「簡単です。ノートに書けばいいのです。」
“この教室のつかなくなった電気をつけて欲しい”
すると、
「うわ!」
「・・・ついた」
「信じられない。」
電気がついてしまった。
「どうですか。すごいでしょう?」
と自慢げに話すカブトムシ。たしかに、すごいけど、
「なんで私たちに?それと、提案って何?」
「まあ、そう焦らずに。今から話しますから。皆さんご存知の通り、今、この世界は大変なことになっています。すぐに復興したいのですが、それができません。この世界が、破壊され過ぎたためです。そこで、あなた達に復興を手伝ってもらいたい。」
それからカブトムシは小声でこう言った。
「ちなみに、このノートは異世界から来たものなのですよ。だから、あんなことができるのです!フヒャヒャヒャヒャ!」
「それで?」
「あなた達に、この世界をより良いものへ変えて欲しいのです。」
「やだ。」
「なんでやらなくちゃいけないの?」
「てか、あんた誰?」
「おや?」
思っていた反応と違ったのか、カブトムシは首をかしげる。
「やらないのですか?政府からのお願いですよ?」
こんなにも怪しい人だ。皆、警戒するに決まっている。
「聞きたいことが三つある!」
端山だ。今度は大丈夫だろうか?
「一つ目、なぜ自分たちなのか。二つ目、お前は誰なのか。三つ目、なんで変な格好をしているのか。」
言い終えた端山は、これで合っていたか、と不安な目を向けてきた。だから、小声で、
「合っているよ。ありがとう」
と言った。すると端山はものすごく喜ぶ。子犬みたいなその姿に 癒される。
「一つ目、全員無事が君たちしかいないから。気を失ってから意識を取り戻すのも早かった。二つ目、私は政府で働いている者だ。名は、株野太郎。三つ目、異世界と通信しているのだ。顔は見せられぬ。」
「ふーん。」
「では、このノートは置いていく。やりたくなったらやればいい。もちろん、世界が良くなるようにしてくれ。」
そう言って教室から出て行った。・・と思うと、戻ってきた。
「言い忘れていた。理想の世界ができた時には、報酬をやろう。」
今度こそ、去って行った。
「どうしようか。」
「やってみようぜ。面白そう!」
「仲岡、テキトーに言うなよ。」
「だって、神になれるってことだろ!みんなはなってみたくないのか、神に!」
そのうちに端山と仲岡で言い争いが始まった。すると、
「・・・やろう。」
「えっ!」
「おっ!小谷、やる気になったか。」
「紗矢!どうして?」
「だって、一生に一度のチャンスだよ!もう二度とないよ!」
「そうだけど・・・。」
「千晴、言いたいことがあるなら、言って。」
「・・・踊らされている気がするの、あいつに。」
「そうかもしれない。でも、やってみようよ。選ばれたんだよ、私たち!」
「じゃあなんでっ!」
つい、声が大きくなってしまった。だけど気にせず続ける。
「何で私たちなの?」
「それはさっき、カブ太郎が言ってたじゃん。」
私の大声に驚いたのか、紗矢は声が小さくなる。
「嘘かもしれないじゃん!あんなにすごいノートを持っているなら、私たちじゃなくて、政府が、カブ太郎がやればいいでしょ!」
「・・・」
「それに、きっと大切な国家機密のノートだよ。そんなノートを私たち中学生に渡すなんておかしいと思わない?」
冷静さを取り戻した私は、落ち着いた声で言った。
「もう一度、皆で話そう。きちんと話そう。」
その後、私たちは、1時間くらい話し合った。最終的には、元の生活を取り戻すため、やることにした。ただし、条件をつけて。
1 誰1人として欠けることなくやる
2 皆で話し合ってから行動する
3 最後まで手を抜かないでやる
これらのことで一致した。
「まず、何やる?」
「あのさ、他のクラスってどうなっているの?」
「確かに、じゃあ皆で見にいこうか。」
「そうだね。そうしよう。」
私はふと、時計を見た。午後6時だった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
ところで、皆さんだったら、どうしますか?やりますか?
次は、他のクラスを見てまわります。そこで、新たな事実が!!
すごい設定かもしれませんが、読んでいってください。
皆様と過ごせる日々に感謝を込めて・・・・・