10/11
30年前のこと〜千晴side 〜
千晴side
12月23日 私の誕生日まであと2日。
みんなが静かだ。それもそうか。クラスの人数が10人減っていたんだ。驚くだろう。
黒幕が、動き出した。
私たちも急がないと、全員消えてしまうかもしれない。
そう思ったから紗矢に声をかけた。
「とりあえず、株谷を探そうよ。」
そしたら、仲岡と一緒に行っちゃった。
私、紗矢に嫌われている。前は優しかったのに、悲しいよ。でも、しょうがないか。
仲岡が株谷浩介を見つけた。やっぱり、教師だったんだ。
みんなから少し離れたところに紗矢がいた。そして、私は紗矢の後ろにいる。
紗矢は生徒名簿を見ているみたいだ。
河那 千春
古谷 紗夜
この名前を見た途端、紗矢の表情が変わった。何かに、気がついたかな。
千晴って書いてあるから、私に話をしにくるかもしれない。
だから、少しの間だけ、姿を隠すことにする。
紗矢は知らない方がいいよ。
ごめんね、紗矢。
私、また間違えちゃったみたい。