〜中学生たちは神になれるのか!?〜
神が世界を作った、と言う言葉を一度は聞いたことがあるだろう。
ところである大きな揺れで破壊された世界を、復興するついでに自分の好きなように作っていいと言われたら、皆さんはどうするだろうか。
これは、そう提案された、中学生たちの様子を描いたものだ。
よかったら、読んでいってください。
11月27日
その日、世界が一変した。
「地震だ!」
誰かの声が聞こえて、私は机の下に潜った。かなり大きい揺れだった。その揺れは止まる気配がない。
電気が消え、棚が倒れる。クラスメイトの泣き叫ぶ声が聞こえる。
今まで経験したことの無い揺れにいつのまにか私の意識が飛んでいた。
「・・・晴、千晴ってば、起きて。」
「ん?紗矢。どうしたの?」
「とりあえず起きて、これを見て!」
紗矢に体を起こされ周りを見ると、
「何・・・これ・・」
机と椅子が散乱し、クラスメイトも床に転がっていた。教室の中を竜巻が通過したのか、と思う程だった。
「それだけじゃ無いよ。」
そう言って紗矢は私を窓際に引っ張っていった。
窓の外の景色を見た私は、言葉を失った。
建物は壊れ、道路は途切れ、多くの人が倒れていた。見たことの無い風景が広がっていたのだ。
「一体、何が起きたの?」
「私も分からない。・・・。とりあえず、クラスの皆の安否確認をしよう、千晴。」
「・・・そうだね、そうしよう。。」
一通り、倒れている人のところへ行き、全員の無事を確認した。
これからどうするか、皆で話し合いが始まった。
「まず、何が起きたか分かる?気づいたことでもいいから、情報を共有しよう。」
そう言いだしたのは、小谷紗矢だ。彼女は話好きで、誰とでも仲良くなれる。
「そんなこと言われったって、すぐに意識飛んだから、分からん。」
と仲岡達也。彼は優しく、気を配れる人だ。だが、短気。本当に困る人だ。
「うーん、颯斗はどう?何か無い?」
「俺は、あの揺れ地震ではない気がする。何か、こう、もっと違う何か・・。ごめんこれくらいしか・・」
「全然。大丈夫だよ。さすが、颯斗だね。」
彼は木村颯斗。芸術的感性を持っていて、私たちとは違うものを読み取ったり、感じ取ったりする、頼りになる人だ。
「千晴は?何か、感じた?」
「・・私もあんまり・・・。すぐ気を失ったから。ごめんね。」
私は、河那千晴。中2だ。積極性はないけど、陰でみんなを支える、縁の下の力持ち的存在だ。
「そっか・・・。どうしようか、これから・・・。」
その時だった。
「あーどうもどうも。皆さんこんにちは。」
『!?』
全員で声のした方、つまり教室前方を見る。
「えっ・・・。」
そこには、カブトムシの格好をした人がいた。
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