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#1 初相談

相談所篇スタートです。


お楽しみ下さい┏●

素敵な美人さんは衛兵をチラリと見て、


「鍵を開けなさい。この方は釈放よ。」


冴えない衛兵め・・・ププッ・・・美人さんに話しかけられて緊張してるじゃん!

あっ。笑ってるのバレたかも・・・めっちゃ睨みながら鍵開けてるし・・・


「さぁ、行きますよ。あっ、わたくしとした事が自己紹介を忘れてました。メリス・ファン。この街を治めるファン公爵家の一人娘よ。」


貴族様でしたか〜。そりゃ、いい匂いもするし美人さんな訳だ。うんうん。私とは世界が違う。


「貴女の名前は?あるんでしょ、名前?」


「は、はい!えっと、日々樹 優花里です!」


「ヒビキ・ユカリさん。貴族の方?」


「いえ!家は貧乏です!」


「面白い人なのね。行きましょ。貴女の身分証なんて、父様に頼めばスグですし。」


手、握ってくれた!柔らか〜い・・・って私はノーマルよ!でも貴族のお嬢様かぁ〜。いいなぁ〜。


*********************


<優花里がフワフワした気持ちで、メリスに連れられた場所は、この街の中心に位置した大きな屋敷だった。>


こんな所に住んでたら私もモテモテになれるかなぁ〜。


「さぁ上がって。わたくしの部屋で話しましょう。わたくしの相談を済ませてから父様にお願いするわ。」


「はい!お、お邪魔します・・・」


<豪華絢爛とはまさにこの事。素人の優花里の眼を持って、明らかに5億は下らないだろうと言った感じの絵画が飾ってあったり、メリスの部屋の絨毯は踏みしめる度、芝生の上かの様な柔らかさがあった。>


「そちらに座って。紅茶を持って来てくれるかしら?」


「「「はい。お嬢様。」」」


専属のメイドさんが3人も居る!!私、初めて恋愛相談されるのに相手がお嬢様なんて・・・失敗したら不敬罪とかあるのかなぁ・・・


「貴女達は下がってて・・・・・・さて、ヒビキ・ユカリさん。相談なのですが。」


「は、はい。その前にメリスお嬢様・・・恐れ多いので是非、ユカリと呼んでください。」


「あらそう?それじゃ、ユカリさん。わたくし仲の良い許嫁が居るのですが・・・」


はい、いきなり許嫁〜!私には無理確定。許嫁の相談とか・・・私は普通の女子校生だったのに!


「実は・・・彼が。その〜。わたくしの手を握ろうとした時に、跳ね除けてしまって・・・」


赤い顔して、涙目になってるし・・・私のせいで泣いて無いよね?


「その日を境に彼が手を握ろうとしなくなって・・・ウゥ・・・ぐすっ・・・」


あっちゃ〜泣いちゃったよ・・・あれ?でも、お嬢様の状況、何処かで聞いた事あるような・・・見た事あるような・・・・・・


「あぁ〜!メリスお嬢様!それなら簡単ですよ!」


「な、なんですって!貴女なら解決出来るのね!」


「いいえ。お嬢様が解決するんです。彼が手を握ろうとしないのなら、お嬢様から握れば良いんです!」


「わ、わたくしから!?そ、そんな、はしたない事・・・」


「手を握るのが恥ずかしかったら、小指から握ってみませんか?それだけで、お嬢様の気持ちは伝わるはずです!」


「え、で、でも・・・そんな。わたくしから・・・」


オロオロしちゃって〜。お嬢様って感じじゃなくて、乙女の顔になってる。

このリアクションなら相談は上手く行った、って思っても良いわよね。


「こ、今度やってみるわ!ユカリの身分証は父様に頼むから・・・この事は誰にも言わないでね!!」


「はい。メリスお嬢様の恋が実ります様に・・・」


<優花里はメリスの左手を握り、恋愛雑誌に書いていた、恋する勇気のおまじないをやった。勇気を出したい人の左手の薬指、第1関節と第2関節の間を、握った人の左手の薬指でトントンと叩くモノだ。>


これで私の今後は大丈夫かな・・・

とりあえず、お嬢様相手の相談は終わりかな!

雑誌を読んでて良かった。役に立つのね、あの「キューピットもビックリ!気になるあの人に告白される100の技♡」って本。15000円もしたのに私には効果無しって、燃やそうかと思ったわ。

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