#03 捕まったんですけど?
言葉使い等、まだまだ難しいですね・・・
お楽しみ下さい┏●
恋愛神との話し合いはサクサク進んだ。
まず、ありふれた事だが異世界転移の特典として優花里の眼に恋愛神の力が1部コピーされた。
ラブオーラを見抜く力だ。
この力をどう使うかの問題になり、優花里は「どうせ見えるんだったら、私みたいに恋愛に困ってる人を助けたい!」との事なので、恋愛相談所を開く様に恋愛神は勧めた。
優花里はそれに飛び付き、具体的にはどうするかの意見を出し合った。
「それじゃ〜優花里の道が決まった事だし、大きめな街に続く街道に転移するね〜!」
恋愛神が指を鳴らし、優花里が目を開けた時には舗装された街道に1人で立っていた。
「え?私1人で行くの?無理無理!どうすればいいか分かんないもん!!」
この叫びに反応するのは小鳥だけだった。
優花里は仕方なく遠くに見える街に足を向けた。
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「だ〜か〜ら〜!日々樹 優花里!恋愛相談所を作りたいの!」
街への入口で検問を受けた優花里はイライラしながら衛兵に怒鳴っていた。
「ヒビキ ユカリね・・・貴族なのか?」
「今は無一文よ!!ねぇ、早くしてくれないの!?」
「平民ね。恋愛相談所なんか作ってどうするんだ?」
「私が困ってる人を助けたいの!!何回同じ事、答えればいいのよ!!」
検問をした衛兵、助っ人に来た衛兵、別室へ連れて行かれ別の衛兵、そして今話している衛兵。
優花里は異世界人の心の中で変な人認定をされていた。
「はぁ・・・もう分かった。それじゃ、身分証を出してくれ。」
「え?身分証・・・?」
こめかみをグリグリして、疲れきった衛兵は優花里に提示を促したが、そんな物持っている訳が無い。
「無いのか?まさか奴隷か?」
「え?い、いや、奴隷なんかじゃ・・・」
「捕らえろ〜!!」
訳が分からないまま、優花里の手に思い輪がハメられ、ほいほいと牢屋に入れられた。
「何で私が牢屋なんかに入らなくちゃいけないのよ!出しなさいよ!ほら、そこの・・・え〜とっ・・・歯並びが良さそうな人!」
「なっ・・・だ、黙れコノヤロウ!!身分証を持たないのは奴隷だけだ!奴隷を主人無しに街に入れる事は出来ん!そ、それに俺は歯並びだけじゃないぞ!」
真っ赤な顔をして怒った衛兵に怒鳴られた優花里は、シュンとしながら冷たい石の床に「の」の字を書いた。
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「ねぇ〜!お腹空いた〜!お外に行きたいよ〜!」
3日間、様々な質問をされた優花里は未だ牢屋から出られない。
そもそも身分証も無く、やりたい事は恋愛相談所、金も無ければ連れも居ない。
怪しさ満点の優花里を釈放したくても、出来ない理由がそこにあった。
(もういいわよ・・・私は此処で死ぬんだわ・・・きっとそうよ・・・ママ、パパ・・・)
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{#01の冒頭に戻ります┏●ここからは、ほぼ一人称視点になります┏●三人称視点の時には印を付けます┏●}
「拝啓、父上殿、母上殿。
お元気ですか?私は何故か牢屋に入ってます。
今日で3日目になります。
ところで私の部屋、掃除しましたか?
机の中、見ましたか?
後生ですから、直ちに全速で掃除を止めてください!」
「何を1人でブツブツ言っている!黙っていろ!」
チッ!
絶対モテない様な顔してるのに、私に意見するなんて100年早いわよ!
あのチビッ子恋愛神め・・・
「あんたのせいで私は牢屋に居るのよ!!出てきなさいよ!!」
恋愛神は現れない。
それどころか、歪な形をしたラブオーラを持ってる衛兵に睨まれてるし。
こんな衛兵と合うラブオーラを持ってる女性なんて居ないわね!
<コツンコツンと足音が響いて優花里は牢屋の入り口の方へ目を向けた。
綺麗な金髪を揺らしながら、美しい女性が優花里の牢屋に近付いて、>
「貴女が恋愛相談所を開きたいって言ってるそうね?少し試してくれないかしら?」
うわっ!
めっちゃ美人だし、いい匂いもする・・・
「は、はい・・・私に出来る事なら・・・」
口を付いて出てしまった。
私に何をされるんだろう?
でも、牢屋から出してくれるなら・・・
「では、わたくしの相談に乗りなさい。」
え?こんな美人さんの?
相談って恋愛相談だよね?
まぁ、やるだけやってみるわ!