#8 閑古鳥は実在した
更新が遅れました┏●┏●
お楽しみ下さい┏●
商業ギルドに恋愛相談所の広告を出して3日・・・
誰1人として来ないわ・・・
商業ギルドの人によると、冒険者ギルドって所にも広告を出した方が人が来るらしいけど、聞いた話じゃ、お酒臭くて、汗臭くて、横暴な人が多いらしいのよね・・・
そんな場所に私は行けないわ!
絶対無理!
でも、お金も無いし何より私の運命の人を見つける為に開いたのに・・・
これが閑古鳥が鳴いてるって事なのね・・・
「ワタシお店で鳴いた事無いわよ?」
「え?だれ?」
「こっちよ、窓の外。」
言われた通り窓の外を見ると灰色の小鳥がいた。
「開けてくれないかしら?相談に来たんだけど?」
「あ、はい・・・ど、どうぞ〜。」
窓を開けて中に招き入れてみた。この世界の鳥って話すのね!
あっ・・・そりゃ、イスじゃなくて机の上に立つわよね・・・
「それで・・・相談と言うのは・・・?」
「恋愛相談よ。ワタシ、好きな鳥が居るんだけど気付いてくれなくて。あなたに頼ってみる事にしたのよ。」
「分かりました。それでは、今までのアプローチを教えてもらえると・・・」
色々話を聞いてみたけど、アプローチは別に普通だったわね。
ただ・・・相手の方がね・・・
「こうやって話してても埒が明かないわ。あなた、ワタシについてきて頂戴!」
後ろ髪をクチバシで引っ張られながらついて行ったわ。
窓から出ようとした時は、さすが鳥って思った事は内緒よ。
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<緑が生い茂り、数々の太い幹を有する森に着いた。鳥達の心地よい合唱がユカリを出迎え、森の奥にポツンとある寂しげな木で足を止めた。>
「ここで待ってると彼が来るわ。」
あっ1羽飛んできた!
え?スピード早すぎない?
ちょっ、木にぶつかるよ〜!
注意しようとしたけど間に合わなかった・・・
「いっっった!また枝が俺に抱き着いて来たか。可愛いやつめ〜ホラホラもっと抱き着いて来いよ!・・・黙ってて恥ずかしがり屋なのか〜?」
1羽でめっちゃ喋ってるし・・・
「やっと来たわね。元気だったポンタン?」
「おぉ?俺は元気だ!何で俺の名前知ってんだ?誰だ?」
「この前教えたでしょ?サクラよ。」
「そっか!俺はポンタンだ!よろしくなマクラ!」
「サクラよ!」
閑古鳥のサクラさんがお熱なのは、アホウドリのポンタンさんです。
アンポンタンじゃ無いですよ?
ポンタンですよ・・・
「お!人間じゃん!な〜な〜人間って羽無いのか?な〜な〜!」
「残念ですけど、羽は無いんですよ。初めまして、恋愛相談所のユカリです。」
「俺はポンタンだ!人間は初めて見たな。そうだ!な〜な〜人間って羽無いのか?」
プチン
私の中で何かが切れた感じがした。
お客様・・・相手はお客様・・・我慢我慢・・・
「どしたんだ?プルプルして卵、産みそうなのか?」
ヨッシャ!
こいつは後で焼き鳥にしてやる!