#01 始まりの君へ
投稿後にタイトルを変更しました┏●┏●
混乱してしまった方、申し訳ございません┏●┏●
初めて女性向けの作品を書かせて頂きます┏●
不慣れな点や、「こんな女性居ないしw」等、様々な不備があるやも知れませんが、平に御容赦下さい┏●
お楽しみ下さい┏●
「拝啓、父上殿、母上殿。
お元気ですか?私は何故か牢屋に入ってます。
今日で3日目になります。
ところで私の部屋、掃除しましたか?
机の中、見ましたか?
後生ですから、直ちに全速で掃除を止めてください!」
「何を1人でブツブツ言っている!黙っていろ!」
チッ!
絶対モテない様な顔してるのに、私に意見するなんて100年早いわよ!
なんて事を言える訳なく、私は静かに石の冷たい床を見詰めた。
何で私が牢屋なんかに入らなくちゃいけないのよ・・・こうなったのも、あのチビッ子のせいよ!
*********************
10月某日
夏休みもとうに終わり、勢いで付き合ったカップルが別れ始める頃。
私、日々樹 優花里は教室の自分の席から窓の外を眺めていた。
授業が終わった放課後の教室では帰らない生徒達で空気がピンク色だった。
(何で誰も別れてないのよ!教室でイチャイチャして、誰もあなた達の惚気なんて興味無いのよ!)
私立・桜咲学園。
2年B組の教室では至る所で男女が楽しそうな雰囲気で会話をしている。
(どうして私だけ彼氏が出来ないのよ!神様が嫌がらせしてるの!?)
男子16名・女子17名の教室で、優花里だけ夏休み中も学園に入学してからも浮ついた話が無かった。
ぶっちゃけ年齢=彼氏居ない歴だ。
(はぁ・・・早く帰ってのんびりしよ・・・)
カバンに手を掛け、わざわざカップルを割くように間を通って教室から出た。
*********************
「うがぁぁぁぁぁぁ!ふがふがふが!」
自宅へ着いた優花里は自室のベッドに飛び込み、枕に顔を押し付けながら毎日、鬱憤を晴らしている。
「はぁ・・・勉強しよ。」
小学生の頃から使い続けている勉強机の引き出しを開け、1冊の本を取り出した。
参考書では無い。
『貴方にもキット出来る!恋のキューピット♡』
と、ピンクの文字で書いてある恋愛雑誌だ。
優花里はこの手の本を、中学生時代から買い続け、押し入れの中には数えきれない程の読み終わった雑誌があった。
「夏休み後でも彼氏が出来ちゃう・・・チャンスが無かったバイト君を狙え?私のクラスはみんなカップルなんだよっ!」
乱暴に雑誌を閉じて、机の中に仕舞った。
(雑誌に書いてある事を試しても無理。
髪型や香水を変えても無理。
どうしたら彼氏なんて出来るのよ!)
机に突っ伏して、存在があやふやな恋愛の神に文句を言った時、優花里のスマホから着信を知らせる音が鳴った。
「はいはいっと・・・知らない番号だし・・・もしもし?」
『もしも〜し!ねぇねぇ、何でアタシに文句言うのよ〜?』
「は?えっと・・・間違えてないですか?」
『「間違えて無いよ?日々樹 優花里さん?」』
優花里の後ろと、電話口から聞こえてきた。
咄嗟に振り向くと、長くフワフワした髪で、めっちゃ大きい胸のお姉さんが立っていた。
「アタシに文句言われても仕方な〜いの。アナタがモテないのは、世界が悪いのよ〜!」
・・・・・・は?
(いきなり部屋に入って来たとか、めっちゃ美人とかは置いといて・・・言うに事欠いて世界が悪い?)
「そ。だから〜、あっち行こっか〜!」
突然部屋の中が光に包まれて優花里は目を閉じた。
ふわっとした風の感触と、青い緑の香りがして目を開けると、見渡す限りの草原が広がっていた。
最後まで目を通して頂き、ありがとうございます┏●
よろしければ次話も読んでいただけると幸いです┏●