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番外編 誕生パーティー 6

 僕は、戻れるように応援したいと思っている。実際僕にできることは応援だけであり、それ以上のことができるとは思えない。それでも、僕はなっちの考えに口出しをしたくないと思っていた。


 僕たちは、そんな話をしながら、いつだったか通ったT公園の池の周りに来ていた。


 いつだったか話した記憶があるが、ここの池の水を全部抜く企画が行われたことがある。なっちは、YouTubeで見ていたが、縁のない土地程度の認識でしかなかったようだった。


 基本的に帰り道が固定されて久しい。最後に周りを通ったのは去年の10月、今と同じくらいの気温の時だった記憶がある。暑くもなければ寒すぎもしない、理想的な気温の時期だった。


 「そういえばさ、いつだったか言ってた映画ってどうなった?」


 僕はふと思い出して聞いてみる。なっちは、まとめて話してくれた。


 映画自体は7月に公開(上映開始)されることになっているが、なっちはヘリアンサスガールズ関係者ということで、今年3月徳島に戻ったときに特別に事前に見せてもらったようだ。内容を話してはいけないというルールは存在しないようで、なっちは、ネタバレをしないように注意しながら話す、と前置きをしたうえで話を始めてくれた。


 映画タイトルは「タイムマシン開発記」(サブタイトルもあるのだが、正確には記憶していないと言っていた)。今から10年後以降の世界を舞台にしている作品だ。


 2032年5月。科学者であるギルベルト・フォーゲル(Gilbert Vogel)とアントニオ・ガルシア(Antonio Garcia)がタイムマシンの理論を発表した。主人公である筒井紫月つついしづきが、大学同期の新藤励喜しんどうれいきおよび彼の研究者仲間であるふたりとともに、タイムマシンを開発していく流れを記した映画である。(以下略)


 なっちは、ePedia(オンライン上の百科事典)の記事を読み上げてくれた。


 その筒井紫月のボイスが、しふぉんが担当することになっているようだった。キャラのイメージ(高身長で短髪、ボーイッシュ)的にも、結構合っているなと感じた、となっちは評している。


 そして主題歌は、「もう過去には戻れない」。ヘリアンサスガールズの1期生が歌う歌であり、割とストーリーの確信にかかわっている印象を受けると話していた。


 「その歌って、今聞かせてもらうことってできる?」


 僕はなっちに聞いてみた。彼女曰く、いまのところショートバージョン(2番がカットされた音源)のYouTubeリンクしか持っていないと言っていた。


「じゃあ、それを後で送って」


 なっちは、わかった、と言ってくれた。


 「具体的に、いつ発表されるかわかる?」

「えーっとね、8月5日に四国で上映開始で、そのあと8月19日に全国ロードショーがはじまるって。どっちも土曜日だね」


  なっちはスマートフォンで調べて教えてくれた。僕は、ありがとう、と伝えた。


 涼しい風が吹き抜ける。この心地よい風も数か月すれば暑くて嫌な物に代わってしまうのかと考えると少しばかり鬱だ。


 僕は特に何も話すことがなかった。その間に、なっちは僕に問いかけた。


「4期生の活動、見た?」


 4期生のイメージソングは「Go Fourth」だ。4期生のメンバーも5人。なっちもまだ完全には顔と名前は一致していない状況のようだ。


「見たよ! ふうちゃんだっけ?が1番好みだった」


 ふうちゃんのダンスが割と凛々しくて見とれた記憶がある。本名は確か村田風花むらたふうかだったと思う。確か4期生の中で1番背が高い子だ。イメージカラーは風色(エメラルドグリーン)。そろそろ色のネタがなくなって久しいが、プロデューサーは何とか絞り出しているようだった。


「てかさ、メンバー増えすぎじゃない? ベリー系アイドルみたいになってるじゃん」


 ベリー系アイドルとは15年ほど前に鈴森久すずもりひさしがプロデュースした国民的アイドルグループ「ベリージェリー」および10年前結成の公式ライバルグループ「スイートラズベリー」「スモールブルーベリー」の総称である。1グループが30人以上とかなり多くなっており、ファンですら全メンバーの名前を暗唱できるものは少ないといったグループだ。


 なっちいわく、アカギリかつよしは、5期生以降は個別にオーディションを行う可能性がある(常時募集をかけている状態で、5人まとめてではなくひとりずつ行う、ということ)とツイートしていたと言っていた。たぶんだが、20人目以降は増えないと思う。卒業・脱退ということもあるだろう、とのことだ。しふぉんもあと1年強で脱退するようだった。


「なるほどね」


 僕は、ありがとう、と言った。


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