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番外編 誕生パーティー 4

「耳の部分の量が変わっちゃうから、そう切って4等分するのは無理じゃない?」


 ひかりの発言に対して、僕は思わず笑ってしまった。


 なっちは何かをメモに書いた後、ジュースを取りにドリンクバーへと向かっていった。


 僕自身はピザが好きなのだが、あまり食べる機会がない。たまに近くのオーケーストアで買うくらいだ。


「そのパスタ、何もないじゃん」


 なっちのアーリオオーリオをみたコウは話す。なっちいわく、シンプルな味付けだがおいしいとのことだ。


 僕は、さっきの問題(ピザの2等分問題)を考えるためにスマートフォンを操作した。そして、Wolfram Alpha(数値計算などを行ってくれる人工知能のウェブサイト)を使って答えを出した。


 「ピザね、だいたいだけど、半径を3:2に内分するあたりで切ると同じくらいの面積になるらしいよ」


 僕は計算結果を見て話した。しかし、ピザはもう切られた後であり、後の祭りと言ってもいい状況になっていた。


「まあ、最初からこんな切り方するつもりはなかったけどね。ただ気になっただけ」


 僕は笑いながらそういった。なっちは何かをメモしていた。


 タイミングよくミートソースの大盛2人分とポテトが運ばれてきた。僕は分ける前提で大盛を頼んでいて、一部を取り皿に乗せてなっちにあげた。


 なっちに小食キャラの印象があるかと言われればないし、彼女自身も否定している。彼女曰く、「サイゼリヤの大盛は意外と量が多かった。少し前に来たとき食べきることができなかった覚えがある(そのときは、普通サイズで、ちょっと物足りない(が、大盛だと多すぎる)といっていた楓ちゃんに分けたと言っていた)」。


 なっちが普通サイズを頼んだのはそれが原因のようだった。僕は、食べられなかったら僕が食べるけど、なっちも食べて、って言って、僕はミートソースをあげたのだ。


 なっちは食べるのが早くも遅くもない。彼女は、アーリオオーリオをちょうど食べ終え、ピザの残りを口にしていた。そして、僕があげたミートソースをなっちは食べた。ひかりはカルボナーラを分けていた。なっちがそれを食べ終わったころに、全員も食べ終わったようだった。


 なっちは、ジュースを取りにドリンクバーへと向かっていったようだった。この間に、僕たちはサイドメニューのウインナーと、今日の本題のケーキを注文した。頼んで割とすぐ、なっちが戻ってきた。


 なっちは案の定何を頼んだのか聞いてきた。僕は、ウインナーを頼んでおいた、と伝えておいた。なっちはまだ食べれるようで、ありがとう、と言ってくれた。


 なっちは、ビルの屋上に見える観覧車を指さして、後で乗ってみない?と提案した。僕は、よさそうだね、と言った。コウもひかりもそう思っているようだった。


 なっちは小食でありたいとは思っていないようだ。僕としては、小食であってほしいと思っているわけではないが、小食であること自体は構わない。でも、小食を装う人、まだ食べられるのにわざと残す人(味覚に合わない場合は除く)や、残すことをインスタグラムでアピールするような人間は嫌いだ(食べられないなら仕方ないが、それを堂々と公開するのはどうかと思っている)。


「こちらウインナーでございます」


 そういって店員さんはウインナーを運んでくる。僕は特に何もつけずにウインナーを口にした。


 食べ終わってから約5分。店員さんはケーキを運んできてくれた。なっちのためのサプライズ用のケーキだ。彼女も、目的をすぐに理解したようだった。


 店員さんは机の上に丁寧にケーキを置いてくれた。上に置いてあるチョコレートの板には、なっちの誕生日とローマ字表記の名前(Natsuki Maeda 2006.4.19)を記してもらっていた。


 なっちはケーキを見渡している。僕たちは、彼女の様子を見計らってハッピーバースデイソングを歌った。


「Happy Birthday, dear なっち、Happy Birthday to You!」


 残念ながらロウソクはない。なっちは、ホールケーキを4等分して、一番大きく見えたものを自分の皿に持っていったようだった。


 なっちは、フォークでケーキを食べきり、チョコの板を口にしていた。そして、僕たちにありがとう、と伝えてくれた。


 1年前の誕生日は3人でおめでとう、と言っただけだった。しかし、コウの誕生日9月17日、ひかりの誕生日12月26日、ショウの誕生日1月6日の3回は、このようなパーティーが開かれた。なっちは、最後になってしまったが深い思い出が作れた、と言ってくれた・


 ケーキの代金は僕たちが負担する。僕が払うのはミートソース・ピザ(4人で分割)・ポテト(4人で分割)・ウインナー(4人で分割)・ケーキぶんの300円、計1400円だ。なっちは、僕があげたミートソースの分の一部を払うと言ってくれたが、なっちの誕生日パーティーということもあり、さすがに断った。


 僕たちは、ごちそうさまでした、といって、サイゼリヤを出ていった。


 観覧車がある建物(m-モール)はサイゼリヤが入ってるビル(p-ヨコハマ)のすぐ横にある。その建物は5階建てであるが、上に直径45mほどの観覧車がある。4人はm-モールの中に入っていった。


 m-モールの中はいつも通りの賑わいを見せている。僕たちは、エレベーターで観覧車の入り口がある5階へと向かっていった。


 一周は12分であり、値段は800円。周りに高い建物はないので、遠くまでを見晴らすことができる(天気が良ければ、みなとみらいや富士山、スカイツリーも見えるらしい)。ただ、夜と言うこともありそこまで遠くは見えないだろう。


 僕たちはそれぞれお金を払い、4人で同時にゴンドラに乗った。


 ひかりは高所恐怖症と言っていたが、3人がいるなら大丈夫、と言って乗ってくれた。観覧車のゴンドラのうち、ふたつは地面がガラス張りになっているが、僕も高所恐怖症の気はあるので、さすがに乗る気にはなれなかった。


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