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番外編 誕生パーティー 3

 僕はドリンクバーの飲み物を吸い上げる。なっちはその間にひとつの質問をした。


「みんなさ、大学受験のことって考えてる?」


 僕自身、何となく行ければいいなってところはあるものの、具体的には全く考えていない。2次試験に国語が必要ないところ(東京大学・京都大学・名古屋大学理工以外の大学)で、家から最も近いところ(乗り換え1回の理工系大学)を考えている(僕は国語が苦手なので、その3つについては全く考えていない)。


 コウとひかりは反応を見る限りに何も考えていないようだった。なっちは、地方の国公立に進みたい、といった反応を示していたが、深くは何も考えていない、といっていた(前にも言っていた記憶があるが、活動を再開するつもりはあるのだろう)。

 

「大学入っても軽音部つづけてると思う?」


 ひかりはなっちの大学の話を受けて返してきた。僕以外は中学時代から軽音部をつづけているが、意外とみんな続けるつもりはないようだ。なっちいわく、サークルがあればやるかもしれないくらいの認識でしかない、とのことだ。そしてそれは、僕も同じで、コウもだいたい同じようだ(ひかりは、たぶん続けてると思う、と言っていた)。


 このバンド自体、高校卒業後どうなるか、という方針はたっていない。今のところボーカルであるなっちがいなくなってしまう可能性が高い以上、誰か違うメンバーを探す(あるいは、誰かがボーカルになる)必要があるだろう。継続が比較的困難になってしまう可能性は高い。


 正直、(はやくても)2年後のことだ。あまり想像できていないというのもある。他の3人も同じような反応をしているようだった。


「でさ、そんな未来のことはともかくさ、なっち、新曲はできてるの?」


 コウは今までの話をあしらうようになっちに問いかけていた。いまのところ、Rivageの作詞作曲はだいたい彼女がおこなっている。始まりの街に次いで、2曲目にあたる曲ももうできているようだ。


「あー、大体はできてるよ」


 コウは、聞いてみていい?と聞いていた。なっちは3本のイヤホンがさせるようになっている中継器のようなものの端子部分をスマートフォンに差し込んだ。


「じゃあ、いくね」


 みんな有線のイヤフォンを用いているようで、それぞれが差し込んだのを確認したのち、なっちはスマートフォンを操作して新曲のデモ音源を流した。

 

 基本的に前曲と同じように前向きな歌詞が特徴となっているが、ヘリアンサスガールズあってもおかしくなかった始まりの街に比べ、少しオリジナル要素が増えた気がする。そして、Cメロのメロディーは前曲がそのまま流用されているようだった。



「どう?」


 なっちは僕たちに問いかける。1回聞いただけでは分からないと思った僕は、LINEで共有してほしい、となっちに伝えた。なっちは、わかった、といってGoogle Driveのリンクを送ってくれた。そしてちょうど、店員さんが頼んでいたものを運んできた。


「マルゲリータピザの方~」


 コウは、4人で分けて食べるので、それは机の真ん中においてください、とお願いしていた。ポテトも同様に、ピザの横に置いてもらった。そして、なっちが頼んだアーリオオーリオと、ひかりが頼んだカルボナーラが届いた。男性陣のパスタはまだ来ないようだった。


 コウはピザを4等分してくれている。僕はそれを見て、ふとした疑問が浮かんだ。


「まああたりまえだけどさ、ピザ4等分するときって真ん中の角度が90度になるように切るじゃん? 縦に切って4等分するには、どのへんで入れたらいいんだろう?」


 なっちは考えたことすらなかったと言っている。他の2人も同じようだった。


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