番外編 誕生パーティー 2
「あ、なっちじゃん、誕生日おめでとう」
僕は彼女を認識して話しかけた。彼女は、ありがとう、と言ってくれた。
僕たち4人で来るのは初めてだが、なっちいわく、サイゼリヤに来るの自体初めてではないとのことだ。
少しばかり時間は早いが、外は暗くなりつつある。特に混んでもいないので、僕たちは、サイゼリヤの中へと入っていった。
軽音部は、しばらくのところライブの予定は多くない。つぎに行われるのは、6月の上旬にO岡山(C北駅から乗り換え1回)のライブハウスでの披露だ。そこでは、先輩方のライブや他のバンドの披露も行われる。そして僕は、そのライブを楽しみにしている。早く6月になってほしい、とも思っていた。
「こちらへどうぞ」
店員さんは私たちを4人席へと案内する。僕たちは指示された席に座り、メニューを開いた。
「とりあえず、ドリンクバーは頼むでしょ? ほかに何頼むか決めといて」
コウはそう言いながら、メニューをめくっていた。
僕は、パスタを注文することは決めている。黒目の服を着てきているので、汚れが目立ちにくいと判断したのか、ミートソースの大盛を彼は注文する予定のようだ。ただ、大盛は少しばかり量が多いので、なっちに分けるつもりだということは話した。。
なっちはアーリオオーリオ(ペペロンチーノから唐辛子を抜いたもの)を注文することにしていた。ひかりとコウはピザを頼んで4人で分けることを考えているようだ。
「このピザ4人で分けて食べたいって思ってるんだけど、ふたりとも食べられないとかないよね?」
そう言ってひかりは、マルゲリータピザと書かれたメニューを見せてきた。どうやら、全員大丈夫なようだ。
「了解、じゃあ注文するね」
コウはそういって、注文するときに押すボタンをおした。すぐに店員さんがやってくる。僕たちは、それぞれ食べたいものを告げた。
「マルゲリータピザがひとつ、アーリオオーリオがひとつ、ミートソースの大盛がふたつ、カルボナーラ大盛がひとつ、ポテトがふたつ、あと4人分のドリンクバーでよろしかったでしょうか」
ひかりは、大丈夫です、と伝えた。店員さんは、それではメニューはそちらの立てるところにおいてください、といって厨房の方へと戻っていった。
なっちは注文後なにか考え事をしていたようだが、ひかりに呼ばれて意識を取り戻していた。僕はドリンクバーで、ファンタグレープを持ってきた。
「今日はカルピスなんだ」
コウはなっちの飲み物を見て反応していた。どうやら、特に考えずに気分でカルピスを選んだようだ。
「そういえば、軽音部はじめてから1年か」
コウはつぶやいた。この1年、僕にとっては結構濃かった気がする。みんな短かったと言っているが、僕に言わせればここまで長い1年間もなかった。感傷に浸っていると、なっちが口を開いた。




